研究課題
我々はウイルスの変異をviral populationの変化でみようとした。そのため、同一患児の感染初期と後期のウイルスについてRT-PCRを行い、その産物をクローニングして塩基配列を決定し、ウイルスのpopulationとその変化を観察した。2001-02、02-03、03-04年シーズンにおいてインフルエンザ様疾患の患者から経日的に鼻汁を採取した。鼻汁はMDCK細胞に接種して、ウイルス分離した。ウイルスRNAを抽出し、HA遺伝子のHA1領域のほぼ全域についてRT-PCRを行った。PCR産物はクローニングし、1つの分離株について45クローン以上をシークエンスした。疫学情報:.患者1(3ヶ月)と2(3歳)は姉弟で検体は2月2日と5日に採取した。患者3(5ヶ月)は02年2月13日と16日に、患者4(1歳)は02年3月12日と16日、患者5(1ヶ月)は02年3月29日と4月1日、患者7(6歳)は03年2月3日と5日、患者8(4歳)は04年1月20日と23日、患者9(4歳)は04年2月20日と23日、患者10(2歳)は04年2月19日と23日、患者11(4歳)は04年2月9日と12日に、検体採取され、いずれもAH3型インフルエンザウイルスが分離された。ウイルスポピュレーション:各々の分離ウイルスから得られたクローンはmajor populationとminor populationとクラスターをつくらない単独のシークエンスをもつクローンに分類された。各々の感染個体において感染初期および後期の分離ウイルスではMajor populationのシークエンスに変化がみられなかった。今回の結果では感染個体において臨床経過中にmajor populationの変化がみられなかった。この程度の感染期間では、インフルエンザウイルスは感染個体において思ったほど変異しなかった。
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