研究概要 |
本研究は都市住民を対象として健康診断で得られた縦断的成績をもとに、動脈硬化性疾患ならびにその危険因子の発症と関連する要因を解明することを目的として実施するものである。調査対象は平成15年度に箕面市が実施する総合健康診断(人間ドック)を受診した30〜89歳の箕面市住民であり、本研究への参加同意が得られた者(以下、参加者と略す)2,570人(男1,186人、女1,384人)を観察コホートとして設定した。なお本研究は大阪大学医学部医学倫理委負会で審査・承認されている。 参加者全員に身体計測、問診、血圧測定、心電図、眼底検査、血液検査(血清総コレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪、尿酸、血糖、HbA_<1c>、高感度CRP、インスリンなど)、栄養調査を実施した。脈波伝播速度、身体活動調査(ライフコーダを用いた24時間活動記録)はそれぞれ1,232人(47.9%)、417人(16.2%)に実施した。調査開始時(平成15年度)における血液検査の精度管理については、血清総コレステロール、HDLコレステロールはCDC/CRMLNによる臨床検査室を対象とした脂質標準化プログラムにより標準化(認証)されており、脂質を除く血液検査は内部精度管理により測定値の品質管理が行われ、月平均値の正確度と精密度はいずれも精度管理上望ましいとされる3%以内であった。また栄養調査、身体活動調査では、最近一ヶ月の食習慣、運動習慣について調査を実施した。血圧測定、心電図、眼底検査、血液検査(高感度CRP、インスリンを含む)については平成18年度までの観察期間、継続受診者を対象に毎年実施する。 平成16年度以降は、エンドポイント(高血圧、高脂血症、糖尿病、動脈硬化マーカーの異常、虚血性心疾患、脳血管疾患などの発症、および死亡など)の発症と関連する要因について検討する。
|