研究課題/領域番号 |
15390200
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
尾崎 米厚 鳥取大学, 医学部, 助教授 (10325003)
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研究分担者 |
岸本 拓治 鳥取大学, 医学部, 教授 (00116394)
岡本 幹三 鳥取大学, 医学部, 講師 (40032205)
矢倉 紀子 鳥取大学, 医学部, 教授 (40116380)
原口 由紀子 鳥取大学, 医学部, 助手 (30335525)
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キーワード | 地域高齢者 / コホート調査 / 閉じこもり / リスク要因 / 介護予防 |
研究概要 |
高齢者の早すぎる死亡や要介護状態の発生の予防対策(介護予防)を明らかにするために鳥取県伯耆町(旧岸本町)の要介護状態にない高齢者約1300人の前向きコホート調査を実施した。ベースラインデータの解析により、閉じこもりの割合が高いこと、割合に地域差があることが明らかになった。閉じこもりを、総合的移動能力、外出頻度、生活行動範囲の3面から検討した結果、それぞれの指標が異なった角度から閉じこもりをみており、3尺度を総合的に用いる重要性が示唆された。3年間の追跡データを解析し、死亡の危険因子は、男性では、健康度自己評価が低い、家族の中の宇役割がない、喫煙しているであり、女性では預貯金の出し入れができないであった。要介護状態の危険因子は、男性では、総合的移動能力が低い、健康度自己評価が低い、新聞を読まない、ひとりで電話をかけられない、脳卒中の既往があるであった。女性では、一人暮らし、外出頻度が低い、趣味・楽しみがない、生きがい・生活の張りがない、食事の用意ができない、家族や知人の相談に乗らないであった。個々人の調査結果の推移は個人ごとに還元され、調査結果の一部は状態悪化者への介護保険利用の手続き、介護予防事業の対象者選定と通知、等に活用された。アンケート記載が難しい対象者等には、医学生高齢者家庭訪問実習として調査内容の聴取を行い、地域医療を志向する医学生教育に活用された。調査研究の成果物として、町内全戸配布用調査結果ダイジェスト、保健医療福祉専門家用介護予防ハンドブック、保健委員民生委員等用の活動支援ノートを印刷し、配布還元した。今後は調査成果を生かした、地域小集団単位の介護予防事業の展開、評価を行う予定である。
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