研究分担者 |
坂元 薫 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (30205760)
北村 俊則 熊本大学, 医学部, 教授 (30146716)
苗村 育郎 秋田大学, 保健管理センター, 所長・教授 (00155988)
湊 博昭 一橋大学, 保健管理センター, 所長・教授 (80114669)
岡野 禎治 三重大学, 保健管理センター, 助教授 (90169128)
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研究概要 |
【目的】青年期における季節性感情障害(SAD)や、症状に季節性を示す精神疾患の有病率を解明することを研究の目的とした。 【対象と方法】全国9大学の平成16年度新入生を対象とし、スクリーニング・テストにはGlobal Seasonality Score (GSS)を使用した。各大学での構造化面接実施学生数は一律40名とし、GSS得点が13点以上(GSS陽性群)は全員を、12点以下(GSS陰性群)は40名からGSS陽性群数を引いた人数を無作為に抽出して面接を行った。構造化面接学生中のSAD罹患学生等の割有りを調べ、平行してGSS得点と高校所在地の日照環境(各都道府県気象予報の基準となる気象観署を代用)との関係を検討した。 【結果】(1)対象学生数は10,871名(男6,530名、女4,258名;熊本大学・宮崎大学除外)であった。そのうち回答したGSSに不備が無かった学生数は6,917名(4,179名、2,738名)で、GSS陽性学生数176名(97名、79名)であった。男女GSS平均得点は4.19±3.64と4.46±3.67で、女子が有意に高値であった。現在SAD等有病率の集計を行っている。 (2)都道府県毎の男女別GSS得点平均値と、種々の日照環境データとの単回帰分析による相関係数を求めた。その結果、女子にのみ4月と5月、および8月と10月の全天日射量積算値の差(ならびに積算日照時間の差)に、中等度の負ならびに正の有意な相関が認められた。現在GSS得点と日照環境データとの関係については、共分散構造分析の視点から新たに解析を行っている。 【考察】統計解析を進めている途中ではあるが、現在得られている結果から(1)女性は男性よりも季節の変化を自覚し易いこと、(2)その手がかりとなるのは春・秋における急激な日射量(>日照時間)の変化である可能性が示唆された。
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