研究課題/領域番号 |
15390205
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
加藤 貴彦 宮崎大学, 医学部, 教授 (70169506)
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研究分担者 |
今井 博久 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (20316631)
濱砂 良一 宮崎大学, 医学部, 講師 (30189609)
中尾 裕之 宮崎大学, 医学部, 助手 (40336293)
篠原 久枝 宮崎大学, 教育文化学部, 助教授 (40178885)
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キーワード | クラミジア感染 / 無症候 / 危険因子 / PCR / 性行動 / 選択的基準 / population-based study / スクリーニング |
研究概要 |
先進諸国の若年者におけるクラミジア感染に関する調査は、クリニックベースで実施された調査がほとんどであり非常に多くの報告がなされている。しかしながら、先進諸国でもわが国でも学生を対象とした無症候のクラミジア感染に関する非クリニックベースにおける大規模調査はない。したがって、感染の正確な実態(感染率や危険因子)が明らかにされず、そのため実践的なスクリーニング方法が開発されていない。私たちの研究班は、平成15年度に引き続き平成16年度も無症候の学生を対象にクラミジア感染のpopulation-based studyを行い、有病率と危険因子を明らかにし、実践的なスクリーニング方法を検討した。 最終的に、宮崎県内のすべての大学ならびにほとんどの専門学校の無症候の男女学生10111名(女子学生5986名、男子学生4125名)から尿サンプルと無記名自記式の性行動に関する質問票の回答を得た。クラミジア感染症はpolymerase chain reactionで診断された。参加者はウエッブサイトを通じて検査結果を知ることができるシステムにした。 有病率は、女子学生が9.6%、男子学生が6.7%であった。ロジステック回帰分析によるクラミジア感染症と有意に関連した危険因子は、女子学生と男子学生で共通してあったのは、「これまでの性的パートナー数が4名以上」、「必ずしもコンドームを使用しない」、「過去6ヵ月間に2名以上の性的パートナーがいた」であった。女子学生だけの危険因子は「年齢」、男子学生だけのそれは「喫煙」になった。「性的パートナー数が4名以上or必ずしもコンドームを使用しない」といったselective criterionは、女子感染者の89.3%、男子感染者の87.4%を検出し、スクリーニングのpopulationを女子学生の42.8%、男子学生の39.9%まで減らせられる。 わが国における学生の無症候のクラミジア有病率は高かった。いくつかの性的行動が危険因子として同定されたが、それらを用いてシンプルなselective criterionを設定しPCR法を用いれば実践的なスクリーニング方法になることが潜在的に示された。
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