研究課題
基盤研究(B)
1)閉じこもり高齢者への無作為化比較試験(RCT)として、閉じこもり」と判定されたもののうち、ホームヘルパー(訪問介護員)による訪問画接調査に同意した107人を対象に質問紙を用いて10月に面接調査を行った。訪間時に調査及び介入の拒否が8人おり、99人が介入の対象となった。無作為に49人を前半介入群、50人を後半介入群に割り付けた。なお、面接調査から、「閉じこもり」、と判定された人では過去1年間の転倒率は20%であり、視力・聴力はいずれも90%以上が普通であり、日常生活自立度はランクJ以上が96.5%であった。RCTの介入は、(1)健康情報の提供 (2)ライフレビューの実施 (3)体操プログラムの実施 からなり、合計約1時間半の訪問による介入を原則週1回、計6回実施した。介入担当者はほとんどがホームヘルパーであり、その他、医師、心理学の専門家などが担当した。体操は、対象者の体カレベルに合わせて、おもに立位で実施する体操とおもに座位で実施する体操の2種類を開発した。2)介入結果とし、6回の介入が全て終了した対象者では、ライフレビューにより回想場面での発言回数が増加し、体調も大変良好である人が増加する傾向にあり、さらに、外出意欲があると回答する人がやや増える傾向にあった。また、特に前期高齢者において自己効力感の有意な改善が見られた。今回開発した体操の継続的な実施が長座位から立ち上がる能力低下を抑制する可能性が示唆された。このことは、ホームヘルパーの戸別訪問による運動指導が、「閉じこもり」高齢者の自宅でできる運動実施を喚起し、結果的に体力低下を抑止する効果をもたらしたと考えられた。3)(1)健康情報の提供 (2)ライフレビューの実施 (3)体操プログラムの実施 からなる介入は「閉じこもり」解消に有効である可能性が示唆された。
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保健福祉学研究 3巻
ページ: 29-40
Health, Social Welfare, Research 3