研究課題/領域番号 |
15390210
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
高島 豊 杏林大学, 医学部, 教授 (20163199)
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研究分担者 |
小風 暁 杏林大学, 医学部, 助教授 (70271583)
吉田 正雄 杏林大学, 医学部, 助手 (10296543)
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キーワード | 血圧 / 眼圧 / アンギオテンシノーゲン遺伝子 / ミトコンドリア遺伝子 / 食物摂取頻度調査 / 追跡研究I / 飲酒 |
研究概要 |
眼圧および血圧の変動とレニン・アンギオテンシン系およびミトコンドリア遺伝子多型との関連性を分析することを主目的とした本研究プロジェクトをふまえて、研究年度の最終年度である平成18年度は、過去3年度(平成15-17年度)における水戸赤十字病院人間ドック部門の受診者(745名)におけるベースラインデータ、すなわち種々の生活習慣調査結果、アンギオテンシノーゲン遺伝子多型(AGTTI74M)およびミトコンドリア遺伝子多型(Mt5178C/A)の分析(PCR-RFLP法による)結果、血圧および眼圧の測定結果についての横断的疫学分析の追加に加えて、本調査期間中に2度以上受診したリピーターの血圧および眼圧の変動量とベースラインの生活習慣調査結果および遺伝子多型との相互関連性に関する縦断的疫学分析を総括的に行った。この結果、AGTT174Mにつき次のような興味ある知見をえた。 1.Mアリル保有型(TM/MM)の方がTアリルホモ結合型(TT)よりも、飲酒習慣が多いほど拡張期血圧が低くなるとともにその上昇率も低くなる傾向が明瞭である所見が、横断的および縦断的解析の双方から認められた。 2.Mアリル保有型(TM/MM)の方がTアリルホモ結合型(TT)よりも、コーヒーを多く飲用する習慣の有る群が無い群に比べて血圧の上昇率が高い傾向が、縦断的解析から認められた。 3.Mアリル保有型(TM/MM)の方がTアリルホモ結合型(TT)よりも、喫煙習慣の有る群が無い群に比べて眼圧の上昇率が高い傾向が、縦断的解析から認められた。 4.Mアリル保有型(TM/MM)の方がTアリルホモ結合型(TT)よりも、肥満の存在により血圧および眼圧の上昇率がより高くなる傾向が、縦断的解析から認められた。 以上の結果より、AGTT174Mと生活習慣との血圧、眼圧変動に及ぼす交互作用の存在が明らかとなった。
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