研究課題/領域番号 |
15390212
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
西 克治 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60073681)
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研究分担者 |
種子島 章男 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (70283520)
大久保 岩男 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80152073)
高津 光洋 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60010089)
牛山 郁子 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (70283562)
山本 好男 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (60111902)
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キーワード | 法医病理診断 / 死後脳診断 / レクチン染色 / 免疫組織化学染色 / プロテアーゼ / 統合失調症 / アルツハイマー型痴呆 / ドーパミンニューロン |
研究概要 |
生化学的検討として、エンケファリンを分解するプロテアーゼの一つであるdipeptidyl peptidase III (DDP III)の拮抗ペプチドとして、VVYPW,LVYPW,IVYPW,YVYPW,FVYPWやWVYPW等を合成し検討の結果、IVYPWとWVYPWが効果的にDDP III機能を阻害することを報告した。脳神経の発達形態学的検討では、ラットに胎生期ストレス付加し、胎生期ストレスは、出生後のカテコールアミンニューロン特にノルアドレナリンニューロンの発達阻害を起こすことを報告した。 法医病理学的には、レクチン染色を用いて、法医病理組織学的に脳血管周囲間隙が脳浮腫に起因するのか、アーチファクトなのかの確定ができることと、統合失調症や記憶障害患者脳では、海馬に糖鎖沈着物が高頻度で見られることを発見し、死後脳での推定診断に応用可能であることを報告した。これまでに作成した抗アラニール・アミノペプチダーゼ抗体は、アルツハイマー型痴呆患者脳の大脳皮質部グリア細胞、解くに、老人斑近傍の反応性マイクログリア細胞に顕著な陽性反応を示し、プロテアーゼの一つである本酵素はアルツハイマー型痴呆の病態と関連していること示唆する結果を得、抗体は死後脳診断に応用可能であることを示した。また、抗アミノ酸脱炭酸酵素抗体などを用いた検索で、統合失調症患者脳では、線状体におけるドーパミンニューロン数が健常者のそれに比して顕著に減少していることをも明らかにした。 脳脊髄液中のアラニール・アミノペプチダーゼ量やその他の物質は、死後経過とともに増加することを見いだし、死後15時間以降の死後経過時間推定方法として有用であることを、国際法医学会やドイツ法医学会で講演発表した。
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