研究課題/領域番号 |
15390216
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
平岩 幸一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60124616)
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研究分担者 |
栗崎 恵美子 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (30106356)
阿部 すみ子 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50136975)
水澤 郁文 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (40192356)
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キーワード | 溺死 / PCR / 細菌 |
研究概要 |
溺死の証明には珪藻プランクトンを検出する壊機試験及び我々が開発した植物プランクトン葉緑体関連遺伝子を検出するPCR法などがある。これらの検出法では水にプランクトンが存在しないと溺死を証明することは出来ない。そこで、口腔内、咽頭及び気管内の常在菌が溺水とともに循環血液へ移行すると考えた。まず、気管内の常在菌が死後血液中へ移行するか否かを確認した。溺死以外の解剖例で、皮膚、咽頭、気管分岐部、左右心臓血について細菌培養同定検査を行なった。その結果、皮膚、咽頭及び気管分岐部でStreptococcus属、Staphylococcus属などが検出されたが、死後24時間以内の左右心臓血では検出されなかった。即ち、死後早期には、気道内常在菌が血中へ移行しないことを確認した。一方、海、川、側溝、池及び浴槽での溺死解剖例の気管分岐部及び左右心臓血について細菌培養同定検査を行なった。その結果、気管分岐部ではStreptococcus属、Enterobacter属、Aeromonas属など、心臓血ではStreptococcus属、Enterobacter属、Aeromonas属などが検出された。プライマーの設定には、消化管内に多数常在する細菌を除外し、上気道内から検出されたβ-Streptococcus属のS.saliveriusとS.sanguinisを選択した。また、海、川、側溝及び池での溺死解剖例から検出されたAeromonas属のA.hydrophilaも選択した。これら3種の純培養細菌に対して複数のプライマーによりPCRを行なった。その結果、S.salivarius membrane protein geneに対するプライマーと、A.hydrophila strain ATCC 7966 DNA gyrase subunit B(gyrB)geneに対するプライマーで、ヒトDNAに対しては増幅が見られず、標的とする細菌で良好な増幅を得られた。
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