研究概要 |
1)Metron Factor-1(MF-1)遺伝子導入の確立 MF-1 cDNAを第3世代レンチウイルスで発現させる目的でCSII-CMV-MF-1 constructを、対照としてCSII-CMV-HGFを作成、また導入効率を検討するためCSII-CMV-GFPを作成し約80%の導入効率を確認した。 2)Metron Factor-1の機能解析(増殖活性の面から) マウス肝細胞初代培養系にLenti-MF-1、Lenti-HGFを感染させてMF-1、HGFの発現をwestern blotにて確認した。感染後3日目の肝細胞の細胞増殖能をBrDU-ELISA,^3H-Thymidine取り込み能により検討し、MF-1の肝細胞増殖活性はHGFと比較しほぼ同等であることを確認した。今後細胞内増殖シグナルの解析をWestern Blotで検討する予定である。 3)Metron Factor-1の機能解析(浸潤・転移能の面から) 1.癌細胞における浸潤・転移能---in vitroにおける安全性の確認 ヒト肝癌細胞株HepG2,胆管細胞株HuCC-T1を用いてLenti-MF-1、Lenti-HGFを感染させて発現を確認後、トランスウエルを用いて遊走能、浸潤能を解析した。その結果、MF-1は対照群に比較して遊走能、浸潤能ともにほとんど認めなかった。 2.肝癌モデル、転移性肝癌モデルにおけるMF-1の影響の検討---in vivoにおける安全性確認CBO140C12肝癌細胞株の皮下腫瘍片を同種マウス肝臓に移植し肝癌モデルを作成し1週後よりlenti-MF-1を遺伝子導入した。現在その移植腫瘍と肝内転移巣の経過を検討中である。 4)Metron Factor-1 transgenic 動物作成 MF-1の機能をさらに詳細に解析する目的で現在MF-1 transgenic ratを作成中である。作成した時点で種々の臓器の再生能、腫瘍の転移能を検討する予定である。
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