研究課題
基盤研究(B)
本研究では、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の病態におけるメタボリックシンドロームの関与を明らかにするべく、動物モデルでの解析を行った。これまで私たちはアディポサイトカインであるレプチンが肝線維化の進展に重要な因子であることを見出し報告してきたが(Ikejima K et al.,Gastroenterology 2002)、肝線維化において中心的役割を果たしている肝星細胞の細胞増殖がレプチンにより促進されることを明らかにし論文発表した(Lang Tm, Ikeiima K et al. Biochem. Biophys. Res. Commun. 2004)。NASHの病態に即した動物モデルの確立を試みる一環として、肥満と耐糖能異常を呈するKK/A^yマウスを用いてコリン・メチオニン欠乏食による脂肪性肝炎モデルを作成した。本モデルではコントロール(C57B1/6)と比較して有意に酸化ストレスが増強すると共に、肝線維化反応も亢進していることを見出した。そのメカニズムの一端としてアディポネクチンの低発現および発現誘導調節機構の失調があることが判明した。また、このKK-A^yマウスにおけるアディポカイン発現プロファイルの異常はAgouti蛋白の変異によるものではなく、KKストレインに起因するものであることが明らかになった。以上の検討より、生活習慣病の病態形成における肝・消化管臓器相関の意義を明らかにし、生活習慣病の予防および治療標的としての消化器病態のリヴィジョンを図る端緒となる知見が得られた。
すべて 2005 2004
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