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2003 年度 実績報告書

幹細胞を用いた効率的な心筋細胞分化誘導法の開発と心不全に対する細胞移植治療の試み

研究課題

研究課題/領域番号 15390242
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

門前 幸志郎  東京大学, 医学部附属病院, 科学技術振興特任教員(常勤形態) (10359622)

研究分担者 永井 良三  東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60207975)
山崎 力  東京大学, 医学部附属病院, 客員助教授(常勤形態) (60251245)
林 同文  東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員(常勤形態) (80313104)
キーワードHMGAファミリー / HMGA2 / P19CL6細胞 / 心筋細胞分化 / BMP / Csx / Nkx2-5 / Smad / 分子生物学
研究概要

High-mobility-group proteins A (HMGA)ファミリーはDNA上のA/Tに富む部位を認識してクロマチン構造を変化させ、さらに他の転写因子と会合して転写複合体を形成することによって遺伝子の発現を制御しており、発生・分化、増殖、細胞死など多様な生命現象において重要な役割を担うことが報告されている。その発現は、心臓も含め胎生期の様々な組織に認められるが、心筋細胞分化や心臓発生に関する機能については殆ど知られていない。我々は、HMGAファミリーの一つであるHMGA2の発現がP19CL6細胞における心筋細胞への分化誘導後に著明に亢進することをdifferential display法によって見出した。そこでこのHMGA2が心筋遺伝子の転写や心筋細胞分化にどのように寄与するかを検討した。P19CL6細胞はDMSO処理後6日前後で心筋転写因子の発現が認められ、約10日目に心拍動を開始するが、HMGA2の発現は分化途上に豊富に認められ、6日目に最大であった。HMGA2を恒常的に過剰発現する細胞株を単離して解析したところ、GATA-4、MEF2C、MLC2vなどの心筋遺伝子の発現が元来のP19CL6細胞より亢進しており、心筋細胞への分化能も著明に増強した。一方、C末端を欠落したHMGA2の変異体を過剰発現する細胞株においては、心筋遺伝子の発現や心筋細胞への分化がほとんど認められなかった。更に、心筋転写因子Csx/Nkx2-5のプロモータ活性がbone morphogenetic protein (BMP)の特異的なシグナル伝達因子である転写因子Smadにより活性化されること、そしてこの活性化はHMGA2によって協調的に増強することがわかった。また、免疫沈降法によりSmad1とHMGA2がin vivoにおいて会合することが示された。以前に我々はBMPシグナルが心筋細胞分化に必須の役割を果たすことを報告したが、今回の結果から、HMGA2はこのBMP-Smad-Csx/Nkx2-5のカスケードに関与することで心筋細胞分化を促進することが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Naito AT, Monzen K, et al.: "Earlty stage-specific inhibitions of cardiomyocyte differentiation and expression of Csx/Nkx-2.5 and GATA-4 by phosphatidylinositol 3-kinase inhibitor LY294002."Exp Cell Res.. 291(1). 56-69 (2003)

  • [文献書誌] Cohen-Barak O, Monzen K, et al.: "Sox6 regulation of cardiac myocyte development."Nucleic Acids Res.. 31(20). 5941-5948 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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