研究課題
マウスATRAPcDNA(AF102548)をCMVプロモーターの下流に連結し、C57BL/6Jマウスの前核期胚に顕微注入を行った後これを偽妊娠マウスの卵管内へ移植してATRAPトランスジェニック(Tg)マウスを作成した。genome DNAのPCR検索によりTgマウスであることを確認し、交配を続けてラインを確立した。心、動脈等の組織を採取し、RNAを抽出してRT-PCRを施行してATRAP発現を確認した。体重、血圧、心重量等はC57BL/6Jマウスと比べ、著名な変化は認められなかった。ATRAPTgマウス大腿動脈周囲にポリエチレンカフを留置し、炎症性血管傷害を引き起こしたモデルにおいて、以下のような変化が認められた。採取前日にBrdUを投与した後、カフ留置7日目の傷害血管を採取し、ホルマリン固定の後パラフィン切片を作成して、細胞増殖の指標としてBrdU取り込みを検討すると、ATRAPTgマウスでは傷害血管の血管平滑筋細胞へのBrdU取り込みが対照のC57BL/6Jマウスに比べて減少しており、血管平滑筋細胞増殖が抑制されていると考えられた。さらにこれらの傷害血管組織においては、炎症性サイトカインであるTNF-aの発現ならびに酸化ストレスに関与するNADPH oxidase subunitであるp22phoxの発現が、野生型マウスに比してATRAPTgマウスにおいて抑制されていた。今後、ATRAPTgマウスを用い、血管リモデリングにおけるATRAPの病態生理作用を検討するとともに、ApoE遺伝子欠損マウスと交配し、動脈硬化病変、酸化ストレスへの影響などもあわせて検討していく予定である。具体的には、これらのモデルでのAT1受容体、AT2受容体の特異的発現部位、経過などを血管平滑筋増殖、脂質沈着、炎症性変化、酸化ストレスなどとの関連において詳細を検討する予定である。
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