研究課題
基盤研究(B)
培養血管平滑筋細胞を用いた実験において、ATRAPはAT1受容体のインターナリゼーションを促進し、AT1受容体刺激によるシグナル伝達に関与することを報告してきたが、血管における病態生理学的意義を検討するため、マウスATRAPcDNAをCMVプロモーターの下流に連結し、C57BL/6Jマウスの前核期胚に顕微注入を行った後これを偽妊娠マウスの卵管内へ移植してATRAPトランスジェニックマウス(Tg)を作製し、大動脈にもっとも多く発現が認められたラインを用いて実験を行った。ATRAPTgのATRAPmRNA発現は、心臓、大動脈、大腿動脈において野生型マウスの約3.5倍に増加していた。心拍数、血圧、及び心重量/体重比はともに有意な変化は認めず、大腿動脈における内膜/中膜面積比、及びAT1受容体、AT2受容体のmRNA発現量も野生型マウスと差は認めなかった。大腿動脈カフ留置傷害血管モデルのATRAP発現は術後7日目に内膜、中膜で低下し、14日目に術前レベルに回復する変化を示した。ATRAPTg傷害血管では、野生型マウスに比較し、7日目では内膜、中膜ともに血管平滑筋細胞増殖が抑制されており、14日目における新生内膜形成も抑制されていた。また術後7日目の傷害血管ではNADPHオキシダーゼ活性、p22^<phox>の発現が上昇するが、この上昇がATRAP-Tgマウスで抑制されていた。さらに傷害血管において亢進するERK、STAT1、STAT3のリン酸化もATRAP-Tgにおいて減弱していた(投稿中)。以上の結果より、ATRAPは血管リモデリングを抑制されることが示唆された。さらにATRAPTgでは、アンジオテンシンIIによる昇圧反応、心肥大の低下、圧負荷心肥大モデルでの心肥大抑制が認められた。今後、ATRAPが病的な心血管リモデリングに対する新たな治療標的になることが期待される。
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