研究課題/領域番号 |
15390250
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
江藤 胤尚 宮崎大学, 理事 (10038854)
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研究分担者 |
北村 和雄 宮崎大学, 医学部, 講師 (50204912)
加藤 丈司 宮崎大学, 医学部, 助手 (20274780)
北 俊弘 宮崎大学, 医学部, 助手 (70315365)
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キーワード | アドレノメデュリン / 血管外膜線維化 / 左室肥大 / 心筋線維化 / 左室リモデリング / 酸化ストレス / AM受容体 / 糸球体腎炎 |
研究概要 |
培養血管外膜線維芽細胞における作用解析:AMは、ラット大動脈外膜線維芽細胞内cAMP濃度を上昇させ、アンジオテンシンII(Ang II)により抑制されたマトリックスメタロプロテアーゼ-2(MMP-2)活性を上昇させた。8-Br-cAMPもMMP-2活性を上昇させ、PKA阻害薬のH-89は同活性を抑制した。すなわち、AMはcAMP依存性にMMP-2を上昇させ、大動脈外膜の線維化を抑制する可能性が示唆された。心筋梗塞ラットにおける作用:ラット急性心筋梗塞(MI)モデルを作製して、作製直後よりAMを1週間投与し、その後8週間経過を観察した。急性MI直後にAMを投与することにより、ラットの生存率が有意に改善された。さらにMI9週間後、非梗塞左室の肥大と線維化の進行がAM投与により抑制されており、心不全の程度も軽減した。すなわち、AMはMI後左室リモデリングに対する治療薬となりうる可能性を証明した。MIラットにおける作用機序解析:MIラットを作製しAMを1週間投与したところ、非梗塞左室のp22-phoxとACE遺伝子発現が抑制されており、尿中イソプロスタン排泄量もAM投与により抑制されていた。すなわち、非梗塞部ACE遺伝子発現抑制作用と酸化ストレス抑制作用が、AMの左室リモデリング抑制効果の機序として推測された。AM受容体の解析:抗胸腺細胞抗血清によりThy-1腎炎を作製し、糸球体腎炎におけるAMとAM受容体遺伝子の発現を検討した。AM遺伝子、AMペプチドおよびAM受容体構成蛋白RAMP2遺伝子の発現は、メザンギウム細胞の増殖性変化に引き続いて増加した。メザンギウム細胞に対するAMの増殖抑制作用と細胞死誘導作用を考慮すると、AMのみならずAM受容体も糸球体腎炎の進行に対して、抑制的に反応していると考えられる。
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