研究課題
基盤研究(B)
申請者は放射線肺臓炎動物モデルを作製し、放射線療法の副作用としてみられる放射線照射部位の肺組織傷害とそれに引き続く間質性肺炎ならびに肺線維症の分子病態を解明することで、本症の分子標的治療法の開発をめざした研究を進めてきた。申請者は、動物用X線照射装置(MBR-1520R-3)を用い、基礎的な組織学的および分子生物学的検討を重ねた結果、ラット肺に放射線を一回照射することで人の放射線照射肺と類似した線維化病変を作製できることを明らかにした。放射線照射初期(4-8週後)である間質性肺炎の時期の肺および気管支肺胞洗浄液中には高いCD13/aminopeptidase Nの発現と活性がみられた。CD13/aminopeptidase Nは単球/マクロファージ、線維芽細胞、肺胞上皮細胞などに広く発現している膜結合型プロテアーゼであるが、Western blot法による検討では肺胞マクロファージにその主たる発現細胞と考えられた。申請者らはCD13/aminopeptidase Nがリンパ球遊走活性を見出していることから、本プロテアーゼは放射線肺臓炎におけるリンパ球性炎症に関与していることが示唆された。そこで、CD13/aminopeptidase Nに対する特異的阻害剤が放射線肺臓炎の発症と進行を抑制できるかどうかを本動物モデルを用いて検討した。CD13/aminopeptidase N阻害薬としてBestatinを用いた。基礎的な検討によって、投与法としては、有効性と安全性の両面から持続的な経口投与が最も有用性が期待できることが分かった。現在、最も有用性の高い投与量、投与時期、投与期間などについて検討しており、今後も継続して研究を進めていく予定である。
すべて 2004 2003
すべて 雑誌論文 (16件)
Exp Cell Res 292(1) : 1-10,2004 292・1
ページ: 1-10
Int J Cancer 108・4
ページ: 511-515
Am J Physil Lung Cell Mol Physiol 286・1
ページ: 174-181
Cancer Res 64・15
ページ: 5461-5470
Int Arch Allergy Immunol 135・3
ページ: 235-242
Clin Cancer Res 10・22
ページ: 7671-7676
Cancer Res 64
Int J Cancer 108
Exp Cell Res 292
Respirology 8
ページ: 461-466
Clin Cancer Res 9
ページ: 5380-5385
Mol Cancer Res. 1
ページ: 485-489
Cancer Sci 94
ページ: 479-485
J Leukoc Biol 73
ページ: 621-629
ページ: 244-252
Clin Exp Metastasis 20
ページ: 53-59