研究課題/領域番号 |
15390258
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
福田 健 獨協医科大学, 医学部, 教授 (90088873)
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研究分担者 |
徳久 剛史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20134364)
有馬 雅史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (00202763)
福島 康次 獨協医科大学, 医学部, 講師 (00254996)
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キーワード | 間質性肺炎 / リンパ球 / Th2サイトカイン / BCL6 / 線維芽細胞 |
研究概要 |
1)BCL6トランスジェニックマウスによる実験的間質性肺炎モデルの確立 間質性肺炎の病態におけるTh2型リンパ球機能の役割を検証するためにlck遺伝子のプロモーターの支配下にBCL6をT細胞に特異的に強発現させたTgマウスをそれぞれ作製した。これらのマウスを卵白アルブミン(OVA)で腹腔感作し(day0)、day14にブレオマイシン(Bleom)(0.5mg/kg)単独またはOVAとBleomの併用でそれぞれ気道内投与し、day21の肺炎症を解析した。その結果、Bleom単独投与の場合、気管支肺胞洗浄液中(BALF)のマクロファージ、好中球、リンパ球はLck-BCL6-Tgマウスで減少を認めた。一方、OVAとBleomの併用投与では野生型マウスで軽度、好酸球が増加し、また、Bleom単独投与時のリンパ球の増加が抑制されたのに対し、Lck-BCL6-Tgヤウスでは、Bleom単独投与時と比べて好中球およびリンパ球の増加を認めた。以前、我々は、OVA感作による喘息モデルで、Lck-BCL6-Tgマウスの気道内リンパ球はTh1サイトカインの産生は正常で、Th2サイトカインの産生が抑制されることは既に確認していることから、以上の結果はBleomによって誘導される肺炎症に対してTh2サイトカインは、抑制的に作用することを示唆している。また、Lck-BCL6-Tgマウスで見られるTh1サイトカインが相対的に優位な生体環境ではBleom誘導性肺炎症を増悪させる可能性があると考えられた。現在、これら気道内の炎症所見と間質性肺炎の病理学的変化との関係について解析中である。 2)BCL6の標的遺伝子の検索 BCL6の作用を細胞レベルで解析するために、マウスの間質性肺炎モデルマウスの肺由来の培養線維芽細胞をにおけるmRNAの発現の動態についてDNAチップを用いて解析し、BCL6の標的遺伝子として間質性肺炎・線維化肺に於ける発症関連因子の遺伝子を検索中である。
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