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2004 年度 実績報告書

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の分子動態と遺伝的背景の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15390260
研究機関日本大学

研究代表者

堀江 孝至  日本大学, 医学部, 教授 (60090081)

研究分担者 橋本 修  日本大学, 医学部, 講師 (30159090)
清水 一史  日本大学, 医学部, 教授 (50004677)
小林 朋子  日本大学, 医学部, 助手 (10343576)
キーワードCOPPD / 気道上皮細胞 / Toll-like recetor / A20 / 炎症
研究概要

COPDの発症機序の一端を分子生物学的見地から解明する。
昨年度は、気道感染の監視機構としての気道上皮細胞のtoll-like receptor(TLR)とTLRを介するシグナル伝達分子の機能と役割を、気道上皮細胞のinterleukin-8(IL-8)発現を中心に解析した。IL-8は好中球の遊走活性を有し、感染防御に重要な働きを演じているサイトカインであるが、その反面、炎症局所に集積した好中球は組織障害を引き起こすことが知られている。IL-8遺伝子のプロモーター領域にはNFkB結合領域が存在し、IL-8遺伝子発現はNFkBで調節されている。よって、IL-8の2面性、即ち、感染防御と組織障害の双方のバランスをとるには、過度のNFkBの活性化を制御することが重要である。また、COPDの発症に関与するMMP遺伝子発現もNFkBによって制御されている。本年度はNFkB活性の制御に焦点をしぼり、内因性NFkB制御蛋白であるA20の気道上皮細胞での機能を解析した。
成績
1.気道のTLR発現:気道上皮細胞にTLR2,TLR4の発現を確認した。
2.Lipolopysaccharide(LPS),peptidoglycan(PGN)刺激によるIL-8産生
LPS、PGNによってIL-8発現が誘導され、また、IL-8 promoter活性が誘導された
3.LPS、PGNによるNFkB promoter誘導
LPS, PGN刺激によってNFkB promoter活性が誘導された。
4.LPS、PGNによるA20誘導
LPS, PGN刺激によってA20 mRNA発現が誘導された。
5.A20遺伝子導入によるNFkBおよびIL-8 promoter活性への影響
A20遺伝子導入によってLPSおよびPGN刺激によるNFkBおよびIL-8 Promoter活性化が抑制された
結論
内因性NFkB抑制性蛋白のA20は気道上皮細胞のTLR2,TLR4を介した気道上皮細胞に炎症性転写因子活性化とサイトカイン発現を抑制することを明らかした。このような抗炎症性経路を含めた詳細な解析や遺伝的多型性の解析を実行して行きたい。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2004 2003

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] A 20 inhibits toll-like receptor 2 and 4-mediated interleukin-8 synthesis in airway epithelial cells2004

    • 著者名/発表者名
      堀江孝至
    • 雑誌名

      Am J Respir Cell Mol Biol. 31(12)

      ページ: 2776-2781

  • [雑誌論文] 目で見るバイオサイエンス 急性肺損傷の分子病態2004

    • 著者名/発表者名
      堀江孝至
    • 雑誌名

      内科 94(1)

      ページ: 156-159

  • [雑誌論文] COPD治療のup-to-date2004

    • 著者名/発表者名
      橋本 修
    • 雑誌名

      呼吸と循環 52(12)

      ページ: 2311-1239

  • [雑誌論文] COPDを診断しよう2004

    • 著者名/発表者名
      橋本 修
    • 雑誌名

      Medical Practice 21(8)

      ページ: 1490

  • [雑誌論文] 気管上皮細胞による微生物監視機構2003

    • 著者名/発表者名
      橋本 修
    • 雑誌名

      呼吸と循環 51(2)

      ページ: 153-158

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Apoptosis signal-regulating kinase 1-mediated signaling pathway regulates nitric oxide-nduced activator protein-1 activation in human bronchial epithelial cells.2003

    • 著者名/発表者名
      堀江孝至
    • 雑誌名

      Am Respir Crit Care Med. 167(6)

      ページ: 856-861

  • [図書] COPDのマネージメント2004

    • 著者名/発表者名
      橋本 修
    • 総ページ数
      115
    • 出版者
      医薬ジャーナル社

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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