研究課題/領域番号 |
15390293
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福本 誠二 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30202287)
|
研究分担者 |
竹内 靖博 冲中記念成人病研究所, 研究員 (50202164)
中山 耕之介 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20322076)
|
キーワード | FGF23 / Tumoral calcinosis / 慢性腎不全 |
研究概要 |
繊維芽細胞増殖因子(fibroblast growth factor)23は、腫瘍性骨軟化症(tumor-induced osteomalacia : TIO)やX染色体優性低リン血症性くる病/骨軟化症など、複数の低リン血症性疾患の発症に関与することが明らかにされた液性因子である。実際FGF23は、腎尿細管でのリン再吸収を担う分子である2a型ナトリウム-リン共輸送体の発現を低下させリン再吸収を抑制することなどにより、低リン血症を惹起することが明らかにされている。一方FGF23ノックアウトマウスは高リン血症を示すことから、FGF23は生理的にもリン濃度調節に必須の因子である可能性があった。我々は、tumoral calcinosisと呼ばれる高リン血症を特徴とする疾患患者において、FGF23遺伝子変異を発見し、ヒトにおいてもFGF23作用がリン濃度調節に必要であることを明らかにした。一方血中には、低リン血症惹起作用を有する全長FGF23と、蛋白プロセッシングにより切断されたのちのFGF23フラグメントが存在する。このFGF23の測定は、TIOなどの疾患の診断や経過観察に有用でるが、FGF23の測定法には複数のものが存在する。そこで我々はこれら複数のFGF23測定法の臨床的有用性を検討し、活性を有する全長FGF23のみを測定する方法が、FGF23フラグメントを測り込む測定法より低リン血症性疾患の診断に有用であることを報告した。
|