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2003 年度 実績報告書

レプチンのエネルギー代謝調節作用に関する分子医学的研究と医学応用

研究課題

研究課題/領域番号 15390294
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

小川 佳宏  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (70291424)

研究分担者 菅波 孝祥  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (50343752)
キーワードレプチン / インスリン / インスリン分泌低下型糖尿病 / ストレプトゾトシン / トランスジェニックマウス / 抗糖尿病薬
研究概要

レプチンは脂肪細胞より分泌され、主に視床下部を介して強力な摂食抑制とエネルギー消費亢進をもたらし、肥満や体重増加の制御に関与すると考えられている。本研究では、インスリン分泌低下型糖尿病におけるレプチンの抗糖尿病作用を検討した。
ストレプトゾトシン(STZ)負荷により膵β細胞を破壊したSTZ糖尿病マウスでは著しいインスリンの減少と高血糖を示し、体重減少に伴う低レプチン血症と過食が認められた。肝臓においてレプチンを過剰発現するトランスジェニックマウスでは、STZ負荷により,野生型マウスと同様にインスリン分泌低下型糖尿病を発症した、しかしながら、トランスジェニックマウスマウスでは、野生型マウスの糖代謝の改善に必要なインスリンの10分の1以下の投与量により血糖の正常化が認められた。又、STZにより糖尿病を発症した野生型マウスの摂食量をレプチン過剰発現トランスジェニックマウスと同程度に制限するpair-feeding実験では、野生型マウスの高血糖の改善に必要なインスリンを減量できなかった。以上より、少量のインスリンを併用することによりレプチンの抗糖尿病作用が認められること、レプチンの抗糖尿病作用は摂食抑制作用と異なる機序によることが明らかになった。実際に、インスリン分泌がほとんど残存しないSTZ糖尿病マウスでは、レプチンあるいは少量のインスリン単独投与では高血糖の改善は認められなかったが、レプチンに少量のインスリンを併用することにより著しい糖尿病の改善が認められた。
以上より、インスリン分泌低下型糖尿病におけるレプチンの病態生理的意義と抗糖尿病薬としての可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Nakagawa et al.: "Antiobesity and antidiabetic effects of brain-derived neurotrophic factor in rodent models of leptin resistance."Int.J.Obes.. 27. 557-565 (2003)

  • [文献書誌] K.Yamahara et al.: "Significance and therapeutic potential of the natriuretic peptides/cGMP/cGMP-dependent protein kinase pathway in vascular regeneration."Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 100. 3404-3409 (2003)

  • [文献書誌] N.Satoh et al.: "Antiatherogenic effect of pioglitazone in type 2 diabetic patients irrespective of the responsiveness to its antidiabetic effect."Diabetes Care. 26. 2493-2499 (2003)

  • [文献書誌] F.Miyanaga et al.: "Leptin as an adjunct of insulin therapy in insulin-dependent diabetes."Diabetologia. 46. 1329-1337 (2003)

  • [文献書誌] A.Takahashi-Yasuno et al.: "Leptin receptor polymorphism is associated with serum lipid levels and impairment of cholesterol lowering effect by simvastatin in Japanese."Diabetes Res.Clin.Pract.. 62. 169-175 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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