1.個体レベルの実験 (1)XIIIAノックアウトマウス(KO)のみならずXIIIB KOでも出血時間の延長が見られた。 (2)雄XIIIA KOのみに生存期間の短縮が認められ、出血死であった。 (3)雄XIIIA KOのみならず雄XIIIB KOにも心臓の間質線維化が認められた。 (4)それぞれのKOに欠損しているサブユニットを静注すると、2次的に減少している方のサブユニットが増加した。 2.細胞レベルの実験 (1)MEG-01細胞内XIIIAを三次元的に解析すると、一部はビメンチン中間径フィラメントに含まれており、アクチンとは点共局在を示した。 (2)MEG-01細胞の超遠心分画やc-Lyn、Colera toxin Bとの共染色では、XIIIAは細胞膜の脂質ラフトに表在していた。 (3)XIIIAと相互作用を示すタンパク質[三量体Gタンパク質βサブユニット2(Gβ2)、ラミニン受容体、テレトニン]をBHK細胞にてXIIIAと共発現させたが、共局在は認められなかった。Gβ2はMEG-01細胞の脂質ラフトにXIIIAと共局在していた。 (4)トロンビンやPMA刺激に対するタンパク質チロシンリン酸化への抗XIIIA抗体の影響は確認されなかった。 (5)XIIIAが細胞培養液中のエクソゾームに存在することを同定した。 3.分子レベルの実験 (1)XIIIBの短縮型変異体を作製し、第4及び第9スシドメインが同種二量体形成に、第1スシドメインがXIIIAとの異種四量体形成に寄与することを明らかにした。 (2)XIIIBが、血漿中の未同定の因子との相互作用によりフィブリンの架橋結合反応を促進すること、これに第10スシドメインが関与することを明らかにした。 (3)XIIIAをトロンビンで活性化するとXIIIBとの結合性が低下し、カルシウム添加で結合力が失われることを確認した。
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