研究課題/領域番号 |
15390303
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
朝長 万左男 長崎大学, 大学院・医歯薬学研究科, 教授 (40100854)
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研究分担者 |
間野 博行 自治医科大学, ゲノム機能研究部, 教授 (90240704)
宮崎 泰司 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40304943)
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キーワード | 白血病 / 遺伝子発現プロファイル / 分類 / 形態的異形成 / ミエロペルオキシダーゼ / CD133 |
研究概要 |
急性骨髄性白血病(AML)における遺伝子発現を用いた分類を試みるため、(1)形態的異形成を有するde novo AML (AML/TLD) (2)形態的異形成のないde novo AML (AML/nonTLD) (3)骨髄異形成症候群より転化したAMLの三群についてそれぞれ11例、15例、11例を対象としてCD133陽性細胞を分離し、Affymetrix社のGeneChip HGU95Av2 microarraysを用いておよそ12000種の遺伝子について発現を検討した。上記の(1)と(3)症例を遺伝子発現gene treeにより分類できたばかりではなく、仮想遺伝子発現3次元空間内で1例を除いて重複することなく分離することができた。細胞形態に異形成を伴い治療反応性が悪いという点ではこの両群は類似するが、CD133陽性未分化白血病細胞レベルの遺伝子発現で見る限りこの両者には生物学的に差があると考えられた。さらにこうした解析の中で骨髄系細胞に特異的に発現するミエロペルオキシダーゼ(MPO)遺伝子が抽出されてきた。AML40症例よりCD133陽性細胞を集め、リアルタイムPCR法を用いて遺伝子発現を定量したところ形態学的異形成の有無とCD133陽性白血病細胞におけるMPO遺伝子発現量に有意な相関があった。すなわち遺伝子発現の低い群にのみAML/TLDが見られた。更にこの細胞集団におけるMPO遺伝子発現量は白血病細胞の持つ染色体異常グループとも相関が見られた。またCD133陽性細胞におけるMPO遺伝子高発現群は低発現群と比較して有意に予後が良かった。以上より白血病細胞の遺伝子発現パターンを用いた臨床的に有用な新たなAML分類の可能性が示された。
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