研究課題/領域番号 |
15390305
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
杉本 充彦 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (80192128)
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研究分担者 |
中 宏之 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (40281761)
朴 永東 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (10285364)
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キーワード | 血小板血栓形成 / 血液凝固 / 生理的血流 / フローチャンバー / 共焦点顕微鏡 |
研究概要 |
生体防御メカニズムの1つである止血機構は同時に、心筋梗塞などの致死的動脈血栓症発症のトリガーともなる。止血栓形成は血小板凝集と血液凝固の2つが協調的に機能することで形成されるが、従来の止血機構研究は手技的な困難のため、この2つを各々独立させて行われてきた。しかしながら、生体での生理的および病的血栓形成メカニズムの解明には、血小板凝集および血液凝固を包括的に、かつ赤血球、白血球をも含む全血で、血管壁成分を加えた生理的血流環境で評価することが必須と考えられる。したがって本研究では高感度高速共焦点顕徴鏡を新たに導入し、血小板機能解明のみを目的とした従来のフローシステムに組み込んだ。この新しいフロー実験システムで、リアルタイムな壁血栓形成過程における血小板凝集および血液凝固をin vitroで包括的に正確に評価・解析することが可能となった。 本研究初年度は、血小板機能と血液凝固のinterplayの基盤と考えられる壁血小板血栓形成過程におけるトロンビン形成の解析を生理的血流下でおこなった。まず第1ステップの微量のトロンビン形成による血小板機能のupregulateを、血小板膜のprotease activated receptors (PARs)の機能に焦点をあてて解析した。ついで、PARsを介してupregulateされた血小板からのシグナルが第2ステップであるトロンビン形成のpropagationに至る分子メカニズムの解析を進めており、生理的血流下における血小板機能と血液凝固メカニズムの協調的な分子機構が明らかになりつつある。
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