研究課題/領域番号 |
15390316
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
膠原病・アレルギー・感染症内科学
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
江口 勝美 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30128160)
|
研究分担者 |
川上 純 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90325639)
川崎 英二 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (70336171)
井田 弘明 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60363496)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
キーワード | 自然免疫 / 獲得免疫 / HTLV-I / Toll-like receptor(TLR) / 樹状細胞 / Natural Killer(NK)細胞 / 自己免疫疾患 / 調節T細胞 |
研究概要 |
関節リウマチ(RA)の自然免疫系の解明とその制御-微生物感染に対する自己防御から自己免疫応答への進展機序の解明とその制御-という課題で研究した。 1.HTLV-I感染がTax蛋白を介し、Bcl-xLを発現させ、抗アポトーシス作用を誘導した。また、HTLV-I p19抗原を過剰に産生し、これにはp38 MAPK系の活性化を介していた。 2.シェーグレン症候群(SS)患者小唾液腺組織には浸潤単核球や唾液腺細胞にTLR2、TLR3、TLR4が発現し、これらのリガンド刺激でMAPKがリン酸化し、CD54発現とIL-6産生を誘導した。 3.SS患者は血清中にグランザイムBによる断片化されたLa(SS-B)蛋白に対する抗体を保有していた。 4.SS患者末梢血のNK細胞数とNK活性は有意に減少しており、この減少は血清中のIL-18やTNFαの増加によってNK細胞がアポトーシスに陥ったことによると考えられた。 5.全身性エリテマトーデス(SLE)末梢血のミエロイド系樹状細胞(CD11c^+、CD11c^-BDCA-3^+)と形質細胞様樹状細胞(BDCA-2^+)の両細胞とも健常人に比較して有意に減少していた。 6.TSH受容体発現アデノウイルス感染樹状細胞をマウスに注射してバセドウ病を引き起こすことができた。このバセドウ病モデルマウスにおいて、百日咳ワクチンはバセドウ病発症を抑制し、poly I:Cは促進した。 7.自然発症糖尿病のNODマウスにおいて、自己抗原(インスリンB:9-23)、poly I:Cやコレラトキシンにより糖尿発症が調節・制御されることを明らかにした。 私たちの今回の研究成果は、自己免疫疾患の病因・病態の究明や新規治療法の開発に繋がるものと確信する。
|