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2005 年度 実績報告書

CD1・脂質抗原提示系に着目した、新しい抗結核ワクチンの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15390317
研究機関京都大学

研究代表者

杉田 昌彦  京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80333532)

キーワードCD1 / 脂質 / 結核菌 / ワクチン
研究概要

現行唯一の抗結核ワクチンであるBCGの接種によって誘導されるCD1依存性生体応答の解析を、BCG接種モルモットを用いて遂行した。これらのモルモットにおいて、蛋白抗原特異的CD4陽性T細胞は検出されたが、脂質抗原特異的CD4陽性T細胞の誘導は認められなかった。一方、モルモットには、8種類のCD1分子(CD1b1,CD1b2,CD1b3,CD1b4,CD1c1,CD1c2,CD1c3、CD1e)が存在するが、そのうち少なくともCD1b2,CD1b3,CD1b4に拘束したCD8陽性キラーT細胞を検出し、これらのT細胞がBCG由来脂質抗原を特異的に認識して活性化され、細胞傷害活性を発揮することを明らかにした。これらのキラーT細胞応答は、BCG死菌の投与では検出できなかったことから、生菌BCG接種に特徴的な応答と考えられ、結核防御免疫の誘導にはBCG生菌が必要であることと符合した。さらに、BCG接種モルモットにおいて、抗酸菌細胞壁を構築する糖脂質であるリポアラビノマンナンに対するIgGクラスの特異抗体が産生されることを見いだした。リポアラビノマンナンは、樹状細胞の成熟抑制など宿主免疫を抑制する働きがあることから、それに対する抗体の産生は、抗酸菌感染防御に寄与すると考えられた。これらの研究成果は、BCGによって誘導されるT細胞応答ならびに液性免疫が、結核防御の一端を担っていることを示唆しており、BCGに代わる抗結核サブユニットワクチンとして、蛋白ワクチンに加え、脂質ワクチンが効果的かつ相乗的に作用する可能性が示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Temperature-dependent biosynthesis of glucose monomycolate and its recognition by CD1-restricted T cells2005

    • 著者名/発表者名
      Yutaka Enomoto, et al.
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications 337巻2号

      ページ: 452-456

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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