研究課題
基盤研究(B)
乳児急性単急性白血病患者の複雑な染色体転座からMLL遺伝子と融合する新規の遺伝子MYO1Fを同定した。MYO1Fはこれまで同定されたMLLの相手遺伝子とは全く異なる性質を持つ遺伝子で、MLLキメラ遺伝子の役割を明らかにする上で今後重要な知見を与えてくれることが期待される。転座関連遺伝子と細胞増殖闘連因子との関係では、MLL陽性乳児急性リンパ性白血病ではFLT3のD835/I836のミスセンス変異が18.2%にみられることを見出した。マウスモデルを用いたMLL-SEPT6の解析では、MLL-SEPT6のみの導入では白血病は発症せず、MLL-SEPT6と同時に変異FLT3を導入すると今度は高率に白血病を発症した。このことはキメラ遺伝子だけでは白血病化に十分ではなく、白血病化にはさらにFLT3などのチロシンキナーゼの二次的な変異が必要であることを示唆した。一方、小児急性骨髄性白血病のうちt(8;21)(q22;q22)を有する46例におけるKIT遺伝子とFLT3遺伝子の変異を検討した。KITのキナーゼ領域(TK2)の変異を8例(17.4%)に検出したが、FLT3のinternal tandem duplicationは2例(4.6%)のみであった。KITの変異を有する症例の4年無病生存率は375%で、変異がない症例の94.7%と比べて有意に低く(p<0.001)、t(8;21)-AMLの重要な予後因子であることが明らかになった。FLT3とKITの変異に対する阻害薬の開発が現在進んでおり、また、予後に関連する新しい因子が見つかったことにより、治療の層別化によりより個々の患者に合った治療が行われることが可能になると思われ、本研究の成果が今後広く実際の臨床の現場で役に立つことが期待される。
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