研究課題/領域番号 |
15390329
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
廣瀬 伸一 福岡大学, 医学部, 教授 (60248515)
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研究分担者 |
満留 昭久 福岡大学, 医学部, 教授 (30038749)
弟子丸 正伸 福岡大学, 理学部, 助手 (70309889)
上原 明 福岡大学, 医学部, 助教授 (60140745)
兼子 直 弘前大学, 医学部, 教授 (40106852)
岡田 元宏 弘前大学, 医学部, 講師 (10281916)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | てんかん / チャネル / チャネロパチー / 遺伝子組換え / 神経伝達 |
研究概要 |
今回の科学研究補助費の助成により、われわれは現在中枢神経に発現するイオンチャネル・受容体の遺伝子に焦点をあて、てんかんを引き起こす遺伝子変異の同定と変異遺伝子を持つイオンチャネルの生理薬理学的検定を行うことを中心に研究を進めてきた。まず、全国から検体の収集管理に努めた。これにより、遺伝子バンクはアジアでは唯一の、また世界的にも大規模なものとなった。これにあわせ、高速化を図るため、PCR機器、遠心機などの周辺機器を整備した。これにより、以下の成果を挙げてきた。常染色体優性夜間前頭葉てんかんの日本人では初めてにあたる一家系を発見し、イオンチャネルの一つであるニューロンアセチルコリン受容体α4遺伝子の異常を見いだした。さらに新生児・乳児の家族性けいれんの家系の中から、脳内K^+チャネル遺伝子に全く新しい異常を有する日本人良性家族性新生児てんかん家系を見いだした。加えて常染色体優性遺伝てんかん熱性けいれんプラスII型で脳内Na^+チャネルSCN1Aの新規遺伝子異常2つを発見するとともに、てんかん熱性けいれんプラスの発症にNa^+チャネル遺伝子異常が関与していることを発見した。乳児重症ミオクロニーてんかんで数十種類のSCN1Aの新規遺伝子異常を発見し、GABA_A受容体のγ2サブユニットも関係していることを見出した。新生児・乳児の家族性けいれんの家系の中から、脳内K^+チャネルKCNQ-2遺伝子に全く新しい異常3種類見いだし、電気生理学的解析を行った。上記ヒト遺伝子に相当するラットKcnq2、Kcnq3、Chrna4、Chrnb2、Scn2a cDNAのクローン化を完了し、発見したチャネルの異常の電気特性を報告した。ヒトてんかんと同じ遺伝子異常を持つ遺伝子組換えラットの作出に成功した。これらの研究をもとに本基盤研究が平成17年度で終了するのにあわせ、遺伝子変異の発見とその異常を持つモデル動物の作出を行う基盤研究Bを統合させ、ひとつの研究に再構築し、基盤研究Aとして申請し、交付された。
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