研究課題
基盤研究(B)
【研究目的】MeCP2遺伝子の異常が遺伝性自閉症疾患(レット症候群)の原因になっていることが明らかにされたが、遺伝子異常がどのような過程を経て自閉症を発症せしめるかは不明であった.よってこれを明らかにすることが本研究の目的であった.【平成15年度の研究成果】MeCP2異常による神経細胞の形態変化:MeCP2欠失マウスの脳皮質由来の初代培養細胞で、正常マウスと比較したところ、神経細胞の樹状突起伸長が低下していることを見い出した(現在、他の所見とともに論文投稿準備中).【平成16年度の研究成果】MeCP2発現低下時の神経細胞ならびに神経膠細胞の機能異常:MeCP2発現異常が神経膠細胞に生ずると、細胞増殖が低下することを明らかにし報告した(Nagai et al.,Dev Brain Res 2005).【平成17年度の研究成果】MeCP2蛋白の核外発現と局在変化メカニズム:従来核に局在していることが知られていたMeCP2蛋白が神経培養細胞においては、細胞質でも発現していることを見い出した.またMeCP2の核と細胞質問の移動にMeCP2蛋白質の各種修飾が関係しうることを見い出した(論文投稿中).【研究成果のまとめ】以上3年間で、これまで知られていないMeCP2蛋白の2つの面を明らかにした.すなわち(1)MeCP2蛋白は神経細胞でしか発現していないと考えられてきたが、実はこれ以外の脳細胞であるグリア細胞においても発現し機能していた、(2)MeCP2蛋白は細胞核の中でしか発現していないと考えられてきたが、実はその外側である細胞質においても発現していた.知見(1)はグリア細胞機能不全が精神症状を来しうるという最近の知見と相まって自閉症発症メカニズムのさらなる理解に、知見(2)は核の中に入ってからMeCP2は遺伝子調節機能を発揮することから本症の発症時期の理解に、それぞれ貢献すると考えられた.
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