研究課題/領域番号 |
15390340
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
斎田 俊明 信州大学, 医学部, 教授 (10010381)
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研究分担者 |
松本 和彦 信州大学, 医学部附属病院, 助教授 (40165882)
宇原 久 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (40201355)
久保 仁美 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (60234481)
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キーワード | 悪性黒色腫 / 遺伝子治療 / インターフェロンβ遺伝子 / 正電荷リポソーム |
研究概要 |
本研究は、正電荷リポソーム内にインターフェロンβ遺伝子発現プラスミドを封入した製剤を悪性黒色腫の皮内・皮下転移巣へ局注し、有害反応の有無、安全性を評価するとともに、局所的・全身的効果を検討する第I/IIa相の臨床研究である。計5症例に実施する計画の臨床研究であったが、今年度までに予定どおり全5例への本遺伝子治療の実施を終了した。対象症例は病期IVが4例、病期IIIが1例であった。これらの患者の皮膚転移巣に1転移巣あたりDNA量として径1cmまでのものには10ug、それ以上で径2cmまでのものには30ugのインターフェロンβ遺伝子を週3回、計6回局注した。径1cm以下の小型の転移巣が多発するものには、各10ugの遺伝子を計3個へ注入した。総合的効果判定は、MR(mixed response)が1例、NC(no change)が1例、PD(progressive disease)が3例であった。有害反応はとくに認められなかった。MRの1例では径1cm以下の注入転移巣が完全消失し、非注入転移巣の一部も退縮したが、他方で転移巣の新生もみられた。NCの1例は右下肢皮膚、右下大動脈周囲〜後腹膜腔リンパ節に転移を多発していたもので、右大腿の皮内転移巣への1回10ugのインターフェロンβ遺伝子の注入により、当該転移巣の増大が止まり、治療4週間後まで他の転移巣も増大を示さず、転移の新生もみられなかった。以上のように、本年度で本臨床研究の予定症例数への遺伝子治療の実施を終了した。全例でとくに問題になる有害反応は認められず、本遺伝子治療の安全性が確認された。
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