研究課題
基盤研究(B)
表皮組織の転分化を誘導する因子を同定するため、掌蹠・体幹・口腔粘膜などそれぞれ由来の異なるヒトの初代培養線維芽細胞を、継代培養しmRNAを精製した。次にサブトラクション法や日立ソフト社のヒト3万種のcDNAマイクロアレーを用いて、それぞれ足蹠と体幹部・口唇に由来のmRNAに特異的に発現する興味深いcDNAクローンを数種類ずつ単離した。ノザン法を用いて再確認したところ、体幹の皮膚と比較して掌蹠や口唇の線維芽細胞は、フィブロネクチンの発現が著しく乏しい。逆にデコリンやテネシンなど膠原線維の線維束の太さを調節する蛋白の発現は足底の皮膚に亢進していた。さらにいくつかの糖蛋白やムコ多糖類の発現が、掌蹠と体幹部とでは全く異なっていることを発見した。さらにこれら細胞外基質の発現の違いに呼応して受容体であるインテグリン同位体の発現パターンも異なることを明らかにした。デコリンやルミカンなど膠原線維束の集合に関与するコラーゲン結合蛋白に身体の部位特異性が見られたことより、手掌・足底など躯幹よりも負荷の大きな部位においては結合組織自身が他の皮膚とは異なった組成をなすと考えられる。実際ラットの皮膚において足底と躯幹での膠原線維束の太さを電顕で検討したところ、違いがあることが判明した。またcDNAマイクロアレーの結果より、掌蹠や口腔粘膜の線維芽細胞に特異的の発現し、その配列上にシグナルペプチドを有する蛋白質をデーターベース上より選択した。このような特徴を持つ蛋白としてEGFモチーフを持つ共通の蛋白群がクローニングされた。その特異的発現はノザンブロット法を用いて再現された。現在これらの遺伝子群を強制発現する線維芽細胞株を樹立し、ヒト正常表皮角化細胞と共培養することで、その角化細胞の表現形がどのように変化するのかを確認している。
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