研究課題/領域番号 |
15390344
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
塩原 哲夫 杏林大学, 医学部, 教授 (10118953)
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研究分担者 |
早川 順 杏林大学, 医学部, 助手 (30255393)
水川 良子 杏林大学, 医学部, 助手 (50301479)
寺木 祐一 杏林大学, 医学部, 講師 (10188667)
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キーワード | ホーミング / CD8^+T細胞 / 細胞接着分子 / ケモカイン・レセプター / 糖転移酵素 / Tc1 / Tc2 / サイトカイン |
研究概要 |
本年度の研究においては、正常人末梢血リンパ球(PBMC)よりナイーブCD8^+T細胞分画を分離後、in vitroにおいてanti-CD3抗体にて刺激後、IL-12あるいはIL-4 richな培養液にて培養を続けることでTc1、Tc2に分化させ、その分化の過程に発現してくる様々な細胞接着分子、ケモカイン・レセプターの発現について検討を加えた。 1.まずnon polarizedな条件でprimary cultureを行った場合には、E-selectin ligand(ESL)、fucosyltransferase VII(FucT-VII)の発現が認められ、次いで遅れてCLAの発現を認めた。しかしこれらの発現自体はCD4^+T細胞と比べ全体に低い傾向が認められた。 2.その後、これらの細胞をIL-12あるいは、IL-4 richな環境にシフトさせ、anti-CD3にて刺激を行った。IL-12の環境下においてTc1に分化させた場合に、ESL、FucT-VII、CLAとも持続的に高度の発現を認めた。それに対して、IL-4 richの環境下でのTc2に分化させた場合には、これらの発現は持続的に低い傾向が認められた。 3.CCR-4はTc2でのみ発現を認めた。 4.Tc1、Tc2に分化させた細胞を、異なった環境(即ちTc1をIL-4 richな環境、Tc2をIL-12 richな環境)にシフトさせ、上記の分子の発現を検討したところ、前者においてはCCR-4の発現が、後者の環境においては、ESL、FucT-VII、CLAの発現が一時的に誘導された。 以上の結果から、機能的に分化したCD8^+T細胞は、CD4^+T細胞と同様、逆のサイトカイン環境におかれた時、皮膚へホーミングしやすい分子を発現することが明らかになった。
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