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2003 年度 実績報告書

覚醒剤使用者のセロトニン・トランスポーター脳内密度と精神症状との関連に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15390349
研究機関浜松医科大学

研究代表者

三辺 義雄  浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (60181947)

研究分担者 中村 和彦  浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (80263911)
武井 教使  浜松医科大学, 医学部, 助教授 (80206937)
森 則夫  浜松医科大学, 医学部, 教授 (00174376)
豊田 隆雄  浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (70334977)
キーワードmethamphetamine / serotonin transporter / aggression / positron emission tomography / human
研究概要

覚醒剤使用者のポジトロン・エミッション・トモグラフイ(PET)によるセロトニン・トランスポーター(SERT)脳内密度の異常、及びそれの精神症状との関連について本年度は集中的に検討した。
健常者と比較し,覚醒剤使用者では,大脳皮質,基底核,中脳,小脳を含む脳内13ヶ所の部位全てにおいてSERT密度が有意に低下していた(Wilks' λ=0.06,P<0.001,MANOVA)。このことから覚醒剤の使用により,ヒト脳の広範囲におよぶ部位のSERT密度が低下することが示唆された。
また,SERT密度の低下と覚醒剤使用期間との間には有意な負の相関関係が認められた。このことから,覚醒剤の使用期間が長期になるほどSERT密度の低下の程度が大きくなることが示唆された。これは,覚醒剤のセロトニン毒性は用量依存性であるという報告と一致する。
一方,覚醒剤断薬期間(range : 6 month to 5 years)とSERT密度との間には有意な相関関係は認められなかった。このことから,覚醒剤使用者では覚醒剤使用中止後も長期間SERT密度が低下していることが推測された。
さらに,SERT密度と攻撃性の強度との間に有意な負の相関関係が認められた。このことから,覚醒剤使用者に認められる攻撃性の亢進にSERT密度の低下が関与していることが推測された。
本研究により,覚醒剤使用者では長期持続性にSERT密度が低下していることが明らかになった。また,この低下は攻撃性の亢進と関連することが明らかになった。これらの結果とこれまでの動物実験の結果とを合わせ考えると,覚醒剤使用者ではセロトニン神経が傷害されている危険性があることが示唆される。セロトニン神経は攻撃性や衝動性を抑制する働きを担っていると考えられている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 三辺 義雄: "覚醒剤使用者のセロトニン・トランスポーター脳内密度と精神症状との関連に関する研究"平成15年度精神薬療研究年報. (印刷中).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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