研究課題/領域番号 |
15390354
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
玉木 長良 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30171888)
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研究分担者 |
北畠 顕 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00124769)
加藤 千恵次 北海道大学, 大学院・医学研究科, 寄附講座教員 (10292012)
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キーワード | emission tomography / blood flow / coronary artery disease / myocardium / endothelial function |
研究概要 |
1)臓器血流量を高い精度で計測できるO-15標識水を用いたPET検査を行い、心筋血流量、血流予備能、および血管内皮機能の定量的解析を行い、冠動脈硬化病変の早期診断をめざした。 2)冠動脈造影の施行された27例に冠動脈造影所見と心筋血流SPECTの所見と心筋血流予備能と対比検討した。狭窄のある領域でSPECTにて異常を示す領域の心筋血流予備能は最も低下していた。狭窄がありSPECTで異常を示さない領域の心筋血流予備能はそれより保たれていたが、狭窄のない患者の領域の予備能よりは低下していた。他方、この狭窄のない領域の血流予備能は年齢のマッチさせた健常例に比べると有意に低下を示していた。このことより、虚血性心疾患患者では狭窄がない領域でも冠動脈リスクを持つため、心筋血流予備能が低下していることがPET検査を行うことで明らかとなった。 3)小児期に川崎病に罹患した例の慢性期にPET検査を行い、心筋血流予備能と寒冷刺激による血管内皮機能の定量的測定を行った。その結果、心筋血流予備能の異常認められなかったが、冠動脈瘤の残存した領域はもちろん、その後瘤の退縮した領域も、さらには冠動脈瘤の見られなかった領域も血管内皮機能の低下が認められた。これは川崎病が冠動脈全体の炎症の結果、冠動脈瘤の有無にかかわらず、血管内皮障害を呈することを示したものと考えられた。
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