研究課題/領域番号 |
15390355
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高井 良尋 東北大学, 医学部, 教授 (50107653)
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研究分担者 |
山田 章吾 東北大学, 医学系研究科, 教授 (60158194)
根本 建二 東北大学, 医学系研究科, 助教授 (10208291)
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キーワード | 肺癌定位照射 / 腫瘍トラッキング / アモルファスシリコンX線セン / 追跡照射 / ガントリー搭載X線透視装置 / イメージガイド放射線治療 / 前立腺癌 / 強度変調照射法 |
研究概要 |
東北大学放射治療科では、バリアン社製直線加速器Clinac EX23のガントリーに2台のX線透視装置とアモルファスシリコン平板検出器を搭載し、腫瘍内に刺入した金マーカをリアルタイムで追跡しながら、その座標位置をリアルタイムで算出するソフトウエアを開発した。リアルタイムトラッキングが成功しているときには、金マーカが小さな緑色の正方形の枠に囲まれており、トラッキングに失敗すると枠が拡大し赤色に変化するようにして、容易にトラッキングの状態が確認できるようにした。トラッキングされているときのロッド型の金マーカの中心座標は、緑色の正方形枠の中心座標で与えられる。X-Y、Y-Z、Z-X3方向で同時に表示できるようになっている。このリアルタイムトラッキングソフトを用いて、前立腺内に埋め込んだ金マーカ位置を照射野毎に確認、3次元座標を測定し、前立腺癌に対する強度変調照射法(IMRT)時における毎回の照射間、照射中における前立腺の動き(inter-,intrafractional organ motion)を評価した。 Interfractional motionが1mm以上動いたケースは33%で、repositioningすることによりすべて1mm以内の誤差で照射が可能であった。1mm以内の位置精度で照射が可能となり、尿道周囲の線量を5%減少させる非常に高精度な放射線治療が出来るようになった。現在まで67例に対し80Gy/40回の大線量を用いたIMRTを行ったが、24例では前立腺全体に80Gy(D95)、43例では尿道周囲の線量を減じたIMRTである。急性期grade1の頻尿、排尿困難の訴えが、前者で11/24(46%)、後者では12/43(28%)と明らかに減少していた。最終年度には、我々のX線透視装置搭載治療用直線加速器をモデルに開発されたバリアン社製on-board imagerを導入することができた。
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