研究概要 |
モニタ画像診断におけるモニタの輝度と部屋の照明とが診断能に与える影響を液晶ディスプレイとCRTディスプレイとで比較すると液晶ディスプレイは、低いコントラストの標的を観察するには、同じ解像度のCRTモニタより優れおり,CRTモニタの代用として使用できるものであった。室内照度の影響は有意ではなく,明るい照明下でも液晶ディスプレイは使用できることが示唆された。液晶モニタの診断能に関しては肺結節と肺間質影を対象にしてROC解析を行ったが、2000本系の高精細CRTモニタと比べても1M、2M、3M、5Mいずれの液晶モニタでもROC解析上有意差はなく臨床に使用することに問題はないことがわかった。すなわち画像診断(マンモグラフィーを除く)において、液晶モニタはCRTモニタに代替可能であるといえる。また、液晶モニタの表示マトリックスは、1,000X1,000以上が望ましい。 これらの研究結果からCRTモニタの輝度劣化判定のためのテスト画像(臨床画像及びコントラストチャート)は液晶モニタの輝度劣化判定にも適用できることが結論付けられた。 1.臨床画像を用いる方法 正常のコンピュータッドラジオグラフィ(CR)胸部写真に多数の模擬結節をコンピュータ上で埋め込んだ画像を輝度劣化のテスト画像として用いる。対象の結節が識別できなくなればモニタ輝度の劣化もしくは観察環境が不適切であることを示すことになる。臨床現場で視覚的かつ容易に知ることが出来る。 2.コントラストチャートによる方法 試作したコントラストチャートをモニタ導入時にチェックし、内部標的の識別が可能なブロックの限界を確認しておく。日常的なコントラストチャートのチェックでこの限界が変わるようであればモニタ輝度の劣化もしくは観察環境が不適切であることを示すことになる。
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