研究課題/領域番号 |
15390361
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
畑澤 順 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70198745)
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研究分担者 |
井上 修 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50159969)
村瀬 研也 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50157773)
奥 直彦 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (40346193)
長谷川 新治 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00314328)
細井 理恵 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30291446)
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キーワード | PET / ブドウ糖代謝 / アミノ酸代謝 / ホスゲン / 悪性腫瘍 / MRI |
研究概要 |
Positron Emission Tomography(PET)は、生体内の陽電子放出核種の分布と濃度を体外計測する生体機能画像法である。この領域には次の要素技術の開発と応用が不可欠であり、今年度は以下の研究を行った。 1)全身代謝画像とMR画像の融合画像解析 PET画像は代謝・機能特異的情報を提供するが、形態情報には乏しい。したがって、CTやMRなどの形態画像とコンピュータソフトウェアで重ね合わせる技術が必要になる。2-deoxy-2-[^<18>F]fluoro-D-glucose(^<18>FDG)全身画像とMR T1強調画像を重ね合わせるソフトウェアを開発した。安静時、運動時の全身ブドウ糖代謝画像とMR画像の重ね合わせにより、大脳一次運動野の糖代謝の亢進、対側下腿筋群の糖代謝の亢進が観察され、運動における神経・筋肉間機能関連の研究が開始された。 2)^<11>C-COCl_2標識合成装置の試作と最適合成条件に関する研究 PETの生体機能画像法としての潜在的能力を引き出すもう1つの分野は、標識トレーサの開発である。Phosgene(Carbonyl chloride, COCl_2)は、化学合成において反応性が高いため、医薬品の合成に用いられている。陽電子放出核種11Cで標識した^<11>C-COCl2を自動合成する装置を開発し、医薬品(ジフェニルヒダントイン)を標識した。最も収率の高い合成条件(溶媒、反応温度)を探索した。 3)臨床応用 悪性腫瘍のブドウ糖代謝(腫瘍細胞と炎症細胞で亢進)とアミノ酸代謝(腫瘍細胞で亢進)の両面から全身PETにより検討した。免疫療法開始前後で、^<18>FDGおよび^<11>C-methionine検査を行ない、治療に対する反応性をブドウ糖代謝およびアミノ酸代謝を指標にして解析した。免疫療法は標的組織に炎症を伴うので、治療効果があるにもかかわらずブドウ糖代謝は亢進した。一方、アミノ酸代謝は、炎症巣には集積が少ないので、治療効果を正確に評価すると考えられた。
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