研究課題
基盤研究(B)
[目的]生活習慣病が社会問題となっている。糖尿病では様々な心臓障害が生じる。一方、14-3-3蛋白は全ての真核細胞中に存在してアポトーシスの阻害などの紹胞保護的な作用を有する。ストレプトゾトシン投与にて糠尿病を発症させた9週齢雄C57BL/6マウス(Wild type)をNon-transgenic(NTG)群とし、同週齢雄のC57BL/6マウスDominant Negaive14-3-3ηマウスをtransgenic(TG)の群とし、糖尿病時の14-3-3蛋白とアポトーシス及び心肥大との関係を検討した。[方法]両群の心臓を摘出し、心重量と心体重比及び、左心室横断切片心筋細胞の測定から心肥大についての評価をした。心筋細胞内シグナル伝達についての検討は、Mitogen-acitivated protein kinase<MAPX)に属する3種類の蛋白であるp38MAPK、c-Jun N-terminal Kinase(JNK)、extracellular signal-regulated kinase(ERK1/2)についてのリン酸化をウエスタンブロッティングによって評価した.TeT-mediated dUTP nick end labeling(TUNEL)法により心筋細胞のアポトーシスについて検討を行った。アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)を投与しそれらの変化も検討した。[結果]心重量、心体重比、心筋細胞がNTG群よりもTG群に於いて有意な上昇を示した。JNKの活性化がTG群で早期にかつ顕著な活性化を起こした。アポトーシスは、TG群に於いて多く見られた。これらの変化は、ARBにて改善した。[総括]糖尿病TG群に於いてアポトーシスとJNK活性化、心筋細胸の総大が見られた。14-3-3蛋白は糖尿病の心肥大及びアポトーシスと密接に関係していることが推定された。また、ARBはこれらの改善に有用である。
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