研究課題
基盤研究(B)
ポジトロン断層撮像法(PET)は脳疾患の診断に有用である。しかし、PET診断は様々な生体内の要因によって影響を受ける。PETで診ていたものは何か、PETのvalidationを目的として、フルオロデオキシグルコース(FDG)-PETにより術前に診断したてんかん患者の病巣部位から作成した脳生スライスを、FDGを用いたオートラジオグラフィをダイナミックに解析「バイオラジオグラフィ」する実験系を開発した。最終年度までに、脳生スライス-バイオラジオグラフィとPETの比較が可能な症例が7例蓄積した。High K^+/basal比で表したFDG-バイオラジオグラフィと病巣と対側部位と病巣と小脳比で表したFDG-PETを比較した結果、バイオラジオグラフィで評価した脳組織の糖代謝はFDG-PETのそれを良く反映した。FDG-PETで糖代謝の低下が認められなかった患者より摘出した脳組織スライス(正常脳組織に近い)の灰白質の糖代謝は神経細胞賦活剤であるHigh K^+によって著しく亢進したが、白質の糖代謝は亢進されなかった。一方、FDG-PETで糖代謝が低下を示した患者より摘出した脳組織スライスの糖代謝はHigh K^+に反応せず、神経細胞の変質、脱落と呼応した。本実験系は、PETで診ているものの意義を検証することのできる有用な方法論となる。てんかん病巣や癌病巣のPET診断のvalidationに応用できると期待される。
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