研究分担者 |
守内 哲也 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (20174394)
近藤 哲 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30215454)
加藤 紘之 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80002369)
濱田 淳一 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (50192703)
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研究概要 |
本研究は北海道内で収集された8種の癌サンプルにつきアレイ解析とともに臨床病理学的データを新規アルゴリズムにて解析し,病理学的・臨床パラメータをmRNA発現プロフィールにより判別,遺伝子発現との関連の機能的意義を明らかにし,パーソナライズドメディスンの実現のため,癌個性診断システムを確立することを目的とする. 本年度の研究の成果として,1)症例サンプルと臨床情報は5800例以上の症例数につき収集できた. 2)そのうち600例につきアレイによる発現プロフィール解析を行った. 3)新規解析法としてk-最近隣法を判別関数として,個性診断に最適な遺伝子セットを選択する特徴選択(feature subset selection)法を確立,またその特徴セットを用いてprobabilistic neural networkを多数組み合わせアンサンブル学習を行う方法を確立した. 4)解析データに応用することにより,大腸癌では部位別に層別化することによりリンパ節転移の予測,膵癌では1年生存の予測,食道癌ではリンパ節転移の予測(Clin Cancer Res in press),肺癌ではリンパ節転移の予測,胃癌では非再発生存期間に対するリスクの予測,胆道癌では神経周囲浸潤の予測,乳癌では組織学的悪性度の予測,肝癌ではウィルス感染の有無と組織学的悪性度の診断がそれぞれ可能であることが判明した. 今後は症例を追加し,これらの結果をさらに検証するとともに,臨床実用を目指して,詳細な検討を行う予定である.
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