研究課題/領域番号 |
15390369
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
里見 進 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00154120)
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研究分担者 |
土井 秀之 東北大学, 医学部附属病院, 助教授 (90188839)
川岸 直樹 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (00333807)
関口 悟 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20312580)
宮崎 修吉 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (50282075)
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キーワード | marginal donor / 脂肪肝 / 心停止ドナー / 過少グラフト / 肝移植生存率 / プロテアーゼインヒビター / プロスタグランジン / FR165562 |
研究概要 |
平成15年度はMarginal Donorとして脂肪肝、心停止肝、過少グラフトを想定し実験を行った. 1.Wisterラットに10%ラードと2.5%コレステロールを加えた餌を与えて8W飼育し、脂肪肝を作成した。ラットを1)normal liver群、2)normal liver+NM、FR165562投与群、3)Fatty liver群、4)Fatty liver+NM、RF投与群の4群に分け、18時間の冷保存後に1時間の還流を行い還流液量、肝重量、胆汁量を測定した.4群間に有為差がなくNMやRFの投与は脂肪肝の保存には有用ではなかった。 2.豚を用い筋弛緩剤によって呼吸を止め心停止を誘導するモデルを作成し、心停止10分後に肝を摘出し移植を行った.Donor肝摘出前に投与する薬剤により以下の4群、1)control群、2)FR投与群、3)PG投与群、4)FR+PG投与群に分け、移植後の生存率、Energy charge, proton ATPase活性を測定した。Control群とFR群は全て24時間以内にprimary graft nonfunctioningにて死亡した。PG群は50%、FR+PG群は全例が7日間以上生存した。また、FR群では心停止時に一旦低下したenergy chargeが移植後には速やかに回復し、Proton ATPase活性も良好に保たれていた。PGおよびFRの投与により心停止donorからの肝移植が可能になる可能性が示された. 3.豚を用いて通常の25%に相当する過少グラフト移植を行い、生存率に及ぼす門脈圧の影響を検討した。25%グラフトを移植すると移植前の門脈圧が7cmH2Oから20cmH2Oに上昇し7例中6例が24時間以内に死亡したが、門脈下大静脈シャントを作成すると門脈圧の上昇が14cmH2Oに押さえられ7例全てが2日以上生存した。過少グラフト移植では門脈圧を下げる必要があることが分かった.
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