研究課題/領域番号 |
15390373
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小山 博之 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員 (10241994)
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研究分担者 |
宮田 哲郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (70190791)
西山 伸宏 東京大学, 大学院医学系研究科, 助手 (10372385)
片岡 一則 東京大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00130245)
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キーワード | 高分子ミセル型ナノパーティク / Reverse transfection / 内膜肥厚 / ウサギ頚動脈 / コーティング |
研究概要 |
本年度の研究目標は、(1)Reverse transfection機転を応用した高分子ミセル型ナノパーティクル(NP)による遺伝子導入法の確立と(2)NPによる血管内膜肥厚巣に対する遺伝子導入法の確立の2点であった。 (1)においては、マーカー遺伝子を組み込んだ発現プラスミドを内包するNPを作成し、これをコラーゲンゲル内に混合して固定化した。そして、このゲルの表面に各種の細胞を播種・培養して、経時的にその細胞におけるマーカー遺伝子の発現を計測した。結果としては、マーカー遺伝子の発現は細胞播種後数日から2週間以上(ゲル上で培養はこれ以上不可能であった)にわたり認められ、reverse transfectionによる遺伝子導入法の有効性が示された。計画ではこの技術をNPのコーティング技術に発展させる予定であったが、コーティングのためにはある程度の乾燥条件でもNPの形状が保たれている必要があり、それに必要なNP内部への架橋の導入に関する条件設定に時間を要したため、コーティング技術の完成には至ることができなかった。 (2)に関しては、上記の通りNPのコーティング技術が完成できなかったため、その代わりの機能化NPを用いて検討を行った。それは、細胞内に取り込まれたミセルの細胞質内への移動性能を高めた新世代の高分子ナノミセル(PEG-DET)である。あらかじめバルーン障害により内膜肥厚巣を誘導したウサギ頚動脈への遺伝子導入実験を行い、ポリエチレンイミン(現状で最も導入効率が高い非ウイルス遺伝子導入基材)と比較して細胞毒性が格段に低く且つ同等の導入効率が得られることが明らかになった。
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