[方法] Rat冷阻血+温阻血+再灌流モデルを作成した。 レシピエントラットの左外頸静脈にポリエチエンチーブ(PE-90)をカニュレーションし、再灌流後120分間、5γ、10γでアムリノンの持続静注を行う。プラセボ群では生理的食塩水を8ml/kg/hrで投与する。アムリノン群では持続静注に先立ち8ml/kgのアムリノンを筋注投与した。 [結果] (1)心拍出量、血圧、脈拍等の血行動態、グラフト血流に群間差を認めなかった。 (2)細胞間接着因子(ICAM-1)、アポトーシス(TUNEL法)は、5γ、10γのアムリノン群で対照群に比較して、著明に抑制されていた。 (3)血液中のICAM-01、肝逸脱酵素(AST、ALT)についても5γ、10γのアムリノン群で対照群に比較して、著明に抑制されていた。 [考察] ホスホジエステラーゼ選択的阻害剤は、心筋や血管平滑筋細胞内のcAMPを増加させる作用が知られており、急性心不全の治療薬として使用されている。その一方で阻血再灌流障害にも有効である可能性が本実験により示唆された。
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