研究課題/領域番号 |
15390376
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松本 慎一 京都大学, 医学研究科, 助手 (70359834)
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研究分担者 |
山田 祐一郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (60283610)
藤本 康弘 京都大学, 医学研究科, 助手 (80335281)
田中 紘一 京都大学, 医学研究科, 教授 (20115877)
前川 平 京都大学, 医学研究科, 教授 (80229286)
清野 裕 京都大学, 医学研究科, 教授 (40030986)
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キーワード | インスリン依存状態糖尿病 / 膵島移植 / 生体ドナー / GMP / ISO9001 / ブタ膵島 / 膵管保護 / 二層法膵保存 |
研究概要 |
動物実験として、ヒト膵島分離施設に準拠した分離施設を構築しブタ膵島分離を開始した。また、分離した膵島のQuality Control、即時の清潔度判定のシステムを完成した。ブタにおいて、通常の方法で膵臓1グラム当たり平均702個の膵島が得られた。膵島分離技術の改善として膵臓の二層法保存および膵管の保護の実験を行いそれぞれ膵臓1グラム当たり平均2955個、3657個と飛躍的に収量が改善され、さらにその組み合わせにより9726個の膵島が分離できた。この方法は我々のヒト膵島分離のプロトコールになっている。この膵島を糖尿病のブタおよびマウスに移植し糖尿病が治癒した。 臨床膵島移植準備として、GMP (Good Manufacturing Practice)準拠のハードおよびソフトを完成し、ISO9001に基いて運営を開始した。クリーンルーム用の膵島分離機材を開発し特許申請を行なった。平成15年10月16日に京都大学医の倫理委員会にて生体ドナーおよび心停止ドナーからの膵島移植の承認を受けた。インターネット上にてホームページを開設し(アドレスは下記)患者リクルートを開始した。 http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/%7Etransplant/islet/ 糖尿病関連の学会、患者会へ参加し、また、糖尿病関係の病院などを訪問し膵島移植についての講演を行なった。 平成16年1月17日に日本臓器移植ネットワーク中日本支部から膵臓提供の承認を得る。平成16年1月19日心停止ドナーからの膵島分離を実施した。収量32万個、Viability 99%、純度 40%、インスリン分泌能力 ブドウ糖付加により3倍以上と欧米の移植基準を満たす質の膵島が分離でき、さらに清潔度判定であるエンドトキシンレベルが基準値以内であり、グラム染色陰性であった。 本邦で初めて欧米での移植基準を満たした膵島が心停止ドナーから分離できることを証明した。 そのため、京都大学および国立佐倉病院を中心に日本における心停止ドナーからの臨床膵島移植の基準を作成中である。 以上より、適切なレシピエントとドナーの組み合わせがあれば世界で初めての生体膵島移植が可能であるところまで進展した。
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