研究概要 |
1.補体制御に必要な抑制因子の再検討。 1.factor Iの全長にPl-anchorを付けたfl-Pl、SP domainのみ(SP-Pl)、またSP domain+立体構造を保つため45アミノ酸を加えた分子(SP+45-PI)を作成しCHO細胞に発現させ、ヒト血清と反応させた。補体抑制試験ではfl-Pl、SP-Plは有効、SP+45-PIは無効であった。 2.DAFの機能ドメインSCR2-4を重合しCHO細胞およびブタ血管内皮に遺伝子導入した。DAFの重合化は異種細胞上で補体制御に極めて有効であった。 3.delta-SCR1-DAF、d-SCR2-DAF、d-SCR3-DAF,d-SCR4-DAFを作製、ブタの血管内皮に遺伝子導入した。d-SCR2-DAF、d-SCR3-DAFは補体、NK細胞の両方に抑制効果を示さなかった。d-SCR4-DAFは補体抑制作用を示したが、NK細胞は抑制しなかった。NK細胞上にDAFに対するレセプターの存在が示唆された。 α-Gal抗原後の糖鎖抗原の検討。 α1,3GTのknockout vectorを作成、ブタの血管内皮にknockoutをかけ得た。ブタ胎児繊維芽細胞のknockoutは、2000 cloneほどあげたが失敗した。 「DAF+GnT-III発現、ホモα1,3GTのknockoutブタ」の血管内皮を検討。α1,3GT活性は感度以下を示した。またGSI-B4の測定でα-galの発現はほぼ0であった。しかし、ヒト血清に対する反応性は、GnT-IIIが同時に影響するにもかかわらず、15%程度残存した。 ブタisletの糖鎖抗原の解析。 賭場ブタの膵臓のislet(API)を分離し、抗体染色およびHPLCにてα-Galの発現を確認したが、認めなかった。次に、その新生児ブタのislet=NPCCを分離し、9日間の培養し抗原性を検討した。NICCではα-Galの活性および発現を確認した。 トランスジェニックブタの移植実験 GnT-IIIを発現したトランスジェニックブタより分離したAPIはカニクイザルへの移植実験において生着が延長した。一方、GnT-III TgpigよりNPCCのカニクイザルへの移植実験では延長は見られなかった。
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