研究課題/領域番号 |
15390383
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
上田 政和 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50142419)
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研究分担者 |
宮田 量平 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20327571)
城戸 啓 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70327534)
神野 浩光 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20216261)
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キーワード | 遺伝子治療 / ミサイル療法 / L粒子 / ヒト幹細胞癌 |
研究概要 |
血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体のsoluble formの一つであるmFLK-1-cDNAをshuttlue vectorに封入してヒト肝細胞癌培養株に作用させるとヒト肝細胞癌培養上清中のsVEGF受容体をELISA法で測定するとsVEGF受容体が検出された。次に、ヒト肝細胞癌およびヒト大腸癌をヌードマウス皮下の皮下左右にそれぞれ腫瘍塊を形成させた後に、mFLK-1-cDNAを封入したshuttlue vectorを静注するとヒト肝細胞癌およびヒト大腸癌はshuttle vectorのみを静注した対照群に比較して有意に増殖が抑制されていた。ヌードマウスの体重や各主要臓器重量は両群間で有意な差違は認められなかった。ヒト肝細胞癌とヒト大腸癌をそれぞれ左右の皮下に移植したヌードラットにGFP遺伝子を封入したHBs抗原L粒子を静脈から投与しても、ラットの体重ならびに各主要臓器重量には対照群と有意な差違は認められなかった。また緑色蛍光はヒト肝細胞癌のみで検出され、ヒト大腸癌組織やラット肝組織やその他の重要臓器では緑色蛍光は検出されなかった。Tymedine kinase cDNAを封入したHBs抗原L粒子を、ヒト大腸癌およびヒト肝細胞癌を皮下に移植したヌードラットに静脈注射したのち、ガンシクロビルを投与してヒト大腸癌およびヒト肝細胞癌の推定腫瘍重量を測定するとヒト肝細胞癌でのみ腫瘍重量が有意に抑制された。体重や各主要臓器重量は対照群と有意の差を認めなかった。これらの結果は、HBs抗原L粒子を用いた組織特性と安全性の高いピンポイントガーゲッチングが可能であることを明らかにしている。今後、臨床応用を目指してさらなる研究を進展させたいと考えている。
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