研究課題/領域番号 |
15390397
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
岡 正朗 山口大学, 医学部, 教授 (70144946)
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研究分担者 |
山本 光太郎 山口大学, 医学部, 助手 (50304481)
吉野 茂文 山口大学, 医学部, 講師 (60294633)
硲 彰一 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (50253159)
飯塚 徳男 山口大学, 医学部, 寄付講座教員 (80332807)
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キーワード | 膵癌 / CTL療法 / ワクチン療法 / 手術 / 再発防止 |
研究概要 |
膵癌切除例の予後改善に独自に開発した膵癌の細胞療法(MUC1-CTL療法)と癌ペプチドワクチン療法を組み合わせた治療が寄与するかについて検討する。術前処置として手術の3日前にleukaphersisにより患者のリンパ球を採取し、当科で確立したMUC-1 CTLの誘導を開始する。また、患者のHLAタイプを測定し、ペプチド刺激試験にて個々の患者が反応する癌ワクチンを選択する。上腸間膜動脈周囲神経叢半周温存を郭清の基本とし、根治手術を施行する。誘導したCTLに細菌などの混入がないことを確認し、術後7日目と1ヵ月後に経静脈投与する。術後14日目に、有効ペプチド判定試験にて有効と判定されたペプチドを不完全フロインドアジュバントと混合してエマルジョン化し皮下投与する。2週ごとに合計12回投与を原則とする。1年以上経過した症例は1例であり、71歳女性HLA-A24陽性であった。適合ワクチンはSART3 109-118、Lck 208-216、Lck 486-494、CyclophilinB91-99の4種類であった。門脈合併切除膵頭十二指腸切除術を施行した。pT4(PVp(+)),pNO, cMO, fStageIVaでRO手術となった。術後補助療法に、MUC1-CTLを4.6×10^8個を移入し、2週に1回の割合で癌ペプチドワクチン療法を施行した。二度目のスクリーニングでSART3 109-118、Lck 208-216、Lck 486-494、の3種類であったため変更し、計12回投与を施行した。治療効果としてCA19-9値は術前177.1U/mlから術後正常範囲内となり、経過中再上昇は認めなかった。SART3 109-118、Lck 486-494に対する特異的CTL誘導と、SART3 109-118、Lck 208-216に対する特異的抗体誘導を確認した。術後QOL良好で術後14ヶ月経過したが、急激に骨髄転移からDICを発症し、術後15ヶ月死亡した。
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