研究課題/領域番号 |
15390397
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
岡 正朗 山口大学, 医学部, 教授 (70144946)
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研究分担者 |
硲 彰一 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (50253159)
吉野 茂文 山口大学, 医学部, 講師 (60294633)
山本 光太郎 山口大学, 医学部, 非常勤研究員 (50304481)
飯塚 徳男 山口大学, 医学部, 助手 (80332807)
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キーワード | 膵癌 / 細胞療法 / ワクチン療法 / 手術 / 再発防止 / 予後 / 遺伝子解析 / 樹状細胞 |
研究概要 |
本研究期間、膵癌治癒切除24例に対して、術後補助療法として細胞療法(MUC1-CTL療法)を行った。現在のところ6例が無再発であり、肝再発は2例(8.3%)と著しい肝転移防止効果が観察された。一方、重複例を含めて、局所再発が14例(58%)と最も多く、腹膜再発5例(20.8%)、リンパ節再発4例(16.6%)、肺転移再発3例(12.5%)、骨転移再発4例(16.6%)であった。平均生存期間は17.8ヶ月、1生率83.3%、2生率32.4%、3生率19.4%、5生率19.4%であり、1年生存率は極めて良好であった。この理由は、膵癌術後の早期再発では肝転移再発が最も多く、本治療により肝転移を抑制した結果であることが考えられた。フローサイトメーターによる誘導したMUC1-CTLの解析では、明らかにCTL分画が増加しており、活性のある細胞誘導が行われていることを確認した。また、細胞療法前後の末梢血リンパ球分画をフローサイトメーターにより解析したところ、細胞療法後に末梢血においてもCTL分画が増加していることが観察された。細胞療法+ワクチン療法は5例に行った。目的とした肝再発防止効果と局所再発防止効果を検討しているが、5例中3例は無再発であり、今後も本治療を継続していく。また、MUC1ペプチド刺激樹状細胞による細胞療法を切除不能膵癌17例に行った。その結果、1例にCR、3例にlong NCを認めており、現在網羅的遺伝子発現をマイクロアレイにより解析し、検討を行っている。
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