研究課題/領域番号 |
15390397
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
岡 正朗 山口大学, 医学部, 教授 (70144946)
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研究分担者 |
硲 彰一 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (50253159)
吉野 茂文 山口大学, 医学部, 講師 (60294633)
山本 光太郎 山口大学, 医学部, 非常勤研究員 (50304481)
飯塚 徳男 山口大学, 医学部, 助手 (80332807)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 膵癌 / 細胞療法 / ワクチン療法 / 再発防止 |
研究概要 |
膵癌に対する有効な免疫療法を確立するために、MUC1-CTLと樹状細胞(DC)による細胞療法および癌ペプチドワクチン療法の検討を行った。また、切除例に対しては、MUC1-CTL療法にワクチン療法を併用し、その有効性を検討した。 膵癌切除30例に対し、術後MUC1-CTLによる細胞療法を行い、1年、2年、3年生存率は83.3%,32.4%,and 19.4%であった。肝転移再発は3例(10%)と極めて低く、肝転移防止効果は明らかとなった。一方、2年後には局所再発を19例(63%)に認め、局所再発を防止することが予後改善に必要であった。そこで、新たな免疫療法として膵癌に対する個別化癌ペプチドワクチン療法の第1相試験を行った.HLA-A24とHLA-02の膵癌患者10例を対象に、HLA-A24には14種類、HLA-02には16種類の癌ペプチドワクチンに対する反応試験を行い、各患者に適合したワクチンを2週に1回、可能な限り投与した。Grade III以上の有害事象は1例に認めたものの、安全性に問題はなく、最高1413日生存中である。投与したワクチンに対する血中のIgG自己抗体値が陽性になった症例では延命効果を認めた。また、ワクチン療法の有効症例は局所再発症例であり、MUC1-CTL療法とワクチン療法を膵癌切除例に併用した。現在3例ではあるが、全例生存しており、今後本療法を継続して行う。さらに、切除不能膵癌患者15例にMUC1-CTL+MUClペプチドDCを用いた細胞療法を行った。大腿部皮内にDCは投与し、MUCI-CTLは静注した。CR1例(生存中)、SD4例(3例は1年以上生存)であり、安全性と有効性が確かめられた。現在GMP gradeの細胞療法室で誘導する計画である。
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