研究分担者 |
高尾 尊身 鹿児島大学, 生命科学資源開発研究センター, 教授 (80171411)
中條 政敬 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20041379)
夏越 祥次 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70237577)
帆北 修一 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60274833)
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研究概要 |
本年度(〜平成17年3月31日)の研究実施計画 1)免疫染色とRT-PCR法によるリンパ節の微小転移診断を行い、SN conceptの検討を行った。術前 診断T1-2切除胃癌61例を対象とし、RIを用いたSentinel Node Navigatianを行いHE染色とCytokeratin染色による転移診断に加え、CEA-mRNAの発現をRT-PCR法により評価した。 【結果】同定率100%であった。HEでリンパ節転移を5例、HE陰性56例中でCK染色で3例に微小転移を認めたが、すべての症例で転移はSNに存在した。CK陰性53例中で14例でRT-PCR陽性であった。RT-PCR法でのみ微小転移を認めた14例中、13例はSNに転移を認め、1例でSN以外に転移を認めたが、cT2N0であった。胃癌cT1N0では正診率は100%であり、SNNSを臨床応用するためにはcT1N0が適応と考えられた。 2)リンパ節転移の初期像を把握することを目的に、Sentinel Node (SN) Navigationによって同定されたSNを用いてリンパ節内の転移形態と局在について検討した.RI法によるSN mappingを行ったcT1-2,N0胃癌127例を対象とし、HEとCytokeratin (CK)染色による微小転移診断まで行い,TNM分類を基にMetastasis (MT), Micrometastasis (MM), Isolated Tumor cell (ITC)に分類した.局在は辺縁洞型,中間洞型,傍皮質型,びまん型,節外型に分類した. 【結果】HE13例,CK4例でLN転移陽性であり、正診率100%であった.LN2903個中58個に微小転移を含めた転移を認め,46個がSNであった.TNMに基づく分類では、HEで転移陽性とされたものはMT:73%,MM:19%,ITC:8%,CK染色ではMT:30%,MM:45%,ITC:25%であった.転移巣の局在は,辺縁洞:80%,中間洞:6.7%,傍皮質:6.7%,びまん:6.7%,節外:0%であり,辺縁洞以外に転移巣を形成するタイプの特徴は、未分化癌でリンパ管侵襲陽性であった。SNへの転移は高頻度にMM, ITCで辺縁洞にみられるが,未分化型では局在に注意すべきである.
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