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2004 年度 実績報告書

オリゴマイクロアレイを用いた網羅的肺癌細胞特異的スプライシング遺伝子群の同定

研究課題

研究課題/領域番号 15390407
研究機関東北大学

研究代表者

近藤 丘  東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10195901)

研究分担者 桜田 晃  東北大学, 病院・助手 (60360872)
田畑 俊治  東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (40361191)
キーワードスプライシング / 肺癌 / CT / K-ras
研究概要

近年のCT検診の普及で、早期肺癌が増加しているが、腫瘍の大きさが必ずしも肺癌細胞の生物学的悪性度を反映している訳ではないとの指摘がなされるようになり、末梢型小型肺癌細胞の特性を明らかにすることが急務となった。そこで、そのような肺腺癌症例143例を新たに選別し、K-ras遺伝子の点突然変異について塩基配列決定法による検討を行い、腫瘍CT面積遺残率とい予後の関連を検討した。K-ras遺伝子の点突然変異の同定にはmicrodissection、DNA抽出、nested PCRとdirect sequencing法を用いた。その結果、腫瘍CT面積遺残率が小さい腫瘍(充実型)は遺残率が高い腫瘍(含気型)に比較して予後不良で、K-ras遺伝子点突然変異発生率が有意に高かった。さらに、充実型腫瘍はKi-67、VEGF、CD34、MMP-2、MMP-9の陽性率が高いことも判明した。逆にCD44v6とTIMP-2は含気型腫瘍で有意に高かった。このことから、我々は充実型肺癌は癌細胞の生物学的悪性度が高いグループを形成していると考えている。充実型肺癌は腫瘍細胞の増殖能が高く(Ki-67)、血管新生が活発で(VEGF, CD34)、細胞外マトリックス破壊が亢進(MMP-2,9)こと、さらに細胞間の結合性に乏しい(CD34v6)ことは、充実型肺癌の腫瘍細胞が本質的に浸潤傾向を有していることを意味し、これを臨床的に簡便に知る手がかりとして腫瘍CT面積遺残率が利用できることを示唆している。この成果を踏まえると、肺癌細胞のスプライシング遺伝子群を網羅的に解析することの意義がますます高まったと言える。さらに、約200個のスプライシングバリアントを有する遺伝子群を侯補としてトータルシークエンスによる検討を行っている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] hnRNP B1 protein may be a possible prognostic factor in squamous cell carci2004

    • 著者名/発表者名
      Wu S, Sato M, Endo C, 他
    • 雑誌名

      Lung Cancer 41

      ページ: 179-186

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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